「風不足」でポーランドの風力発電が停止。電気料金が数十パーセント急騰

ウクライナからも緊急の電力輸入を受けたのだとか。…ウクライナには今でもそんなに豊富な電気が?





リスクのある再生可能エネルギー:風力発電が停止しポーランドの電力価格が急騰

rmx.news 2024/11/08

Risky renewable energy: Polish power prices soar as wind comes to standstill

最近ポーランドでは風が止んだため、多くの企業が停電に見舞われた。幸いにも家庭への影響はなかったが、電力不足により電気料金は数十パーセントも跳ね上がった。

こり対して、ドイツとスウェーデンは最終的に輸出に応じ、余剰電力の一部を廃棄する必要があったウクライナも電気の輸出に応じたとポーランドのビジネスインサイダー紙は報じている。ウクライナがポーランドに電力を送ったという事実は皮肉なことだ。

ビジネスインサイダー紙によると、ポーランドは 11月5日から風不足に悩まされており、その結果、風力タービンによる電力生産量は 19.8GWhに減少し、その翌日には 6GWhにまで落ち込んだ。

11月6日の電力スポット価格は 1MWhあたり 882ズウォティにまで跳ね上がった。PSEが最終的に輸入に成功したため、翌日には価格は 543ズウォティに下がった。これは依然として欧州で最も高い電力価格の水準の 1つであり、これを上回るのはルーマニア、ハンガリー、セルビア、マケドニアのやや高い価格のみだ。

10月下旬にも風力低下による同様の問題が発生したが、太陽光発電でその不足分を補った。現在、日照時間が短くなるにつれ、太陽からのエネルギーも減少しつつある。

ここで従来の発電所が介入する必要があり、ポーランドでは依然として石炭火力発電所が主流となっている。しかし、 EU の排出規制により、現状では石炭火力発電所の運営コストが高く、採算が取れない状況となっている。

マルツェナ・チャルネツカ産業大臣は、石炭エネルギー源は原子力エネルギーに置き換えられるだろうと述べた。

しかし、残念ながら、ポーランド初の原子力発電所は 2040年まで稼働開始の予定がなく、経験上、こうした投資には遅れが予想される。

いずれにせよ、ポーランドの電力システムで電力不足が発生する状況は経済にとって悪影響だ。投資家にとって、工場やその他の施設が電力不足に陥るリスクは、労働者不足よりもさらに大きな懸念事項となっている。