アルゼンチンの海岸で鳥インフルエンザとされる原因で子どものゾウアザラシの96%が死亡

 


アルゼンチンでアザラシの子が鳥インフルエンザで死亡。状況は「終末的」

popsci.com 2024/01/17

Seal pup die-off from avian flu in Argentina looks ‘apocalyptic’

非常に感染力の強い高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)が、アルゼンチンのパタゴニア海岸でゾウアザラシに大被害を与えている。野生動物保護協会(WCS)によると、 H5N1株が検出された 3つの繁殖地に生息していたゾウアザラシの子のほぼ 96%が死亡した。

野生動物保護協会チームは、2023年にこれらの地域で 17,000 頭のゾウアザラシの子が死亡したと推定している。

野生動物保護協会の保健担当エグゼクティブ・ディレクターは以下のように述べた。

「過去半世紀において、何らかの原因でこの地域でゾウアザラシの大量死亡が報告されたのはこれが初めてです。ゾウアザラシが繁殖用の浜辺で死んだり瀕死の状態で見つかったりする光景は、終末的としか言いようがない。この 2023年の絶滅は、2022年に生まれ、無事に乳離れした 1万8000頭の子どもたちとは全く対照的な状況です」

野生動物保護協会は、ゾウアザラシは感染した鳥類集団とほとんど相互作用がなかったと考えており、これは哺乳類から哺乳類への感染のさらなる証拠であると考えている。

カリフォルニア大学デービス校の獣医師マルセラ・ウーハート氏によると、生まれたばかりのゾウアザラシの子は母親に乳を与えて餌を与えるため、その子が感染した鳥を食べた可能性はほとんどないという。「これはすべて、哺乳類間の何らかの伝染を強く示唆しています」とウーハート氏は語った。

H5N1 は 1996年に中国で初めて検出された。このウイルスはここ数年、主に飼い鳥に限定されていたが、2021年以降、野生個体群に急速に広がっている。

H5N1型は、世界中の 150種を超える家禽および野鳥に感染した。南米だけでも 50万羽以上の鳥がこの病気で死亡した。また、H5N1 はギリシャで 2,200羽以上のペリカンを殺し、オランダでは約 20,000羽のアジサシを殺した。