中国当局がデモ参加者を「敵対勢力」として追跡と調査を開始。また「ゼロコロナ政策の堅持」を表明

 

(※) この「敵対勢力」という言葉は、共同通信の記事のタイトルにあるものですが、今回ご紹介するのはロイターの記事です。


中国、コロナデモ拡大阻止へ警察多数出動 当局は参加者の調査開始

ロイター 2022/11/29

厳しい新型コロナウイルス対策への抗議活動が広がった中国では29日、さらなるデモを阻止するため警察が首都・北京や上海に多数出動した。

また、北京のデモに参加した3人がロイターに語ったところによると、中国当局は週末のデモに集まった人々の一部について調査を開始した。

ある参加者は「われわれは皆、必死にチャット履歴を削除している」と明かした上で、「警察官が多すぎる。警官が来て友人の身分証明書を確認し連行していった。理由は分からない。数時間後に彼女は解放された」と語った。

北京の公安当局からはコメントを得られなかった。

中国外務省の報道官は、権利と自由は法律の枠内で行使されなければならないと述べた

中国国家疾病予防管理局高官の程有全氏は29日、国民が不満を抱いているのは過剰な新型コロナウイルス規制や画一的な適用で、抑制策そのものではないとの認識を示した。

インターネット上の動画によると、浙江省の省都・杭州市では28日、少なくとも1人が警察に拘束された。

動画では、数百人の警察官が28日夜に広場を占拠し、市民が集まるのを阻止している様子が映されている。警察官がある市民を拘束する一方、周囲の人がそれを阻止しようとしている。

上海と北京では、通信アプリ「テレグラム」上で一部グループが集会を呼びかけた地域を警察が巡回している姿が29日朝も見られた。28日夕方から夜間も続けられた巡回により、新たな集会は行われなかった。

住民などによると、警察は周辺を行き来する人に、携帯電話にVPN(仮想私設網)や週末のデモで使用されたテレグラムのアプリがインストールされているか尋ねている。中国では大半の人にとってVPNは違法で、テレグラムは中国のインターネットからブロックされている。

こうした中、中国共産党機関紙の人民日報は29日の社説で、人命を第一とする「ゼロコロナ」政策を揺るぎなく実行するよう市民に訴え、勝利は「何千もの苦難を乗り越える忍耐」によってもたらされると強調した。一連の抗議には言及しなかった。