[「ワクチンを打った人は入院する確率が3倍高い」という鳩山元首相は誤り]という毎日新聞のファクトチェック報道

 

(※) 誤情報の部分は「3倍ではなく、実は4倍」というところでしょうか。こちらにあります。

なお、記事に「鳩山氏が添付した画像を巡っては、英ニュースサイト「エクスポーズ」が同内容のPDFと記事を6月23日に配信している」とありますが、その記事はこちらです。


ワクチン巡り鳩山由紀夫元首相がまた誤情報 専門家「影響大きい」

毎日新聞 2022/09/22

接種により重症になる確率は、感染して入院する確率の3倍――。新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、WHO(世界保健機関)がこうした認定をしたとして、鳩山由紀夫元首相が誤った情報を再びツイッターで発信し、疑問の声が相次いでいる。専門家は「ワクチンの有効性は明らかだ」と指摘し、鳩山氏の投稿に警鐘を鳴らしている。【山本萌】

7月にも誤情報を発信

鳩山氏は今月14日、白澤抗加齢医学研究所所長で国際予防医学協会理事長を務める白澤卓二医師から聞いた話として次のように投稿した。

投稿には「WHOの研究は、ワクチン接種で重症となるリスクが新型コロナで入院するリスクよりも339%高いと結論づけている」などと英語で記された資料のような画像も添付されている。

鳩山氏は7月にも白澤医師から聞いた話として「ワクチンを打った人の方が打たない人より3倍入院する確率が高いとWHOが認めた」との内容を投稿した。この投稿について、元ワクチン担当相の河野太郎デジタル相が「デマ」とツイートするなど波紋が広がり、毎日新聞などは情報の真偽を確かめる「ファクトチェック」で「誤り」だと報じている。

WHOは事実上否定

今回の投稿内容の真偽について、WHOは毎日新聞の取材に対し「安全なワクチンは、新型コロナに起因した重症化や入院、死亡に強い予防効果を発揮している」などとメールで回答し、事実上否定した。

一方、鳩山氏の事務所は取材に対し「ツイートにあるように全て白澤卓二先生からの情報ですので、ご質問は同氏にお問い合わせください」とメールで回答。白澤抗加齢医学研究所の担当者は「取材は受けられません」と電話で話した。

専門家は懸念

ワクチンの有効性について、感染症に詳しい長崎大の森内浩幸教授は、データや治験による違いはあるとしながらも「現在国内で使用できるワクチンは重症化を防ぐ効果が期待できます」と明言する。そのうえで「今回に限らずデマは発信源が僅かでも、拡散される過程で著名人が加わると信ぴょう性が増して広がっていきます」と話した。

鳩山氏については「総理経験者が十分に情報源を確認しないまま誤った情報を安易に発信するとは通常は思いもよらないため、影響は大きい。世の中に与える影響力が大きい人であれば、もう少し責任を持って行動していただきたいと思います」と指摘した。

一方、鳩山氏が添付した画像を巡っては、英ニュースサイト「エクスポーズ」が同内容のPDFと記事を6月23日に配信している。これに対し、ファクトチェック専門の英非営利団体が7月28日に「取り上げられている研究はWHOと何ら関係なく、多数の専門家が結論を疑問視している」などと指摘している。