「原油先物市場は壊れている」

 


ヘッジファンド運用者アンデュラン氏、「原油先物市場は壊れている」

bloomberg.co.jp 2022/09/01

原油先物市場は壊れていると、ヘッジファンド運用者のピエール・アンデュラン氏は述べた。

強気な予想で知られる商品トレーダーのアンデュラン氏は、先物は今や「明確な理由もなく」1日でバレル当たり10ドル下落することもあり得るとツイッターに投稿した。

同氏のコメントはサウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相など、複数の市場参加者による過去数週間の発言と重なる。同相は極端なボラティリティーと低流動性のために、先物市場と需給ファンダメンタルズの乖離がますます大きくなっているとの見方を示していた。

原油価格は今年、1日当たりの変動幅がバレル当たり5ドルを超えることが10数日あった。特にロシアがウクライナを侵攻して以降、この傾向がある。以前であれば、こうした値動きは異例だと見なされていた。

原油先物の未決済建玉 (オープンインタレスト)が7年ぶり低水準にあることで、値幅が大きくなる可能性が高まっている。

北海ブレントとウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)の主要4限月合わせたオープンインタレストは先週、2015年6月以来初めて40億バレルを割り込んだと、スタンダードチャータードはリポートに記した。

ICAPのエネルギースペシャリスト、スコット・シェルトン氏は「1営業日になぜ5ドルも下がるのかとか、今朝はなぜ2.50ドルも下がっているのかなど、市場は問いかけることすらやめてしまった」と語った。

アンデュラン氏にさらなるコメントを求めたが、返答は得られなかった。