[止まらない小麦値上げ 街のパン屋からは悲鳴]という報道

 

(※) 今のままだとパン産業というもの自体が危ういのではないでしょうか。


止まらない小麦値上げ 街のパン屋からは悲鳴

チューリップテレビ 2022/06/01

6月・7月にかけて原材料費などの高騰で食料品や飲料などおよそ3000品目が値上げされる見通しです。中でも、パンや麺類に使う業務用の小麦は今月中に再び値上げされることが決まっていて、打つ手を尽くしたというパン工房からは「廃業するしかない」と深刻な声もあがっています。

富山市に店を構えるパン工房「みなみかぜ」。豊富な品揃えと焼きたてにこだわったパンが特徴で、毎日多くのお客さんがお目当てのパンを求めて通っています。

利用者:
「週に1回くらいは来てます、プレーンのスコーンが好きですかね」「2回目で前回来た時が美味しかったので(また)買いました」

こちらの店では1日におよそ30キロの小麦粉を使用していますが、原料となる小麦の値上がりが止まりません。

日本の小麦の半数を輸入しているアメリカで不作が続き、国際価格が高水準で推移。政府は輸入小麦の売渡価格を過去2番目の高さにまで値上げしました。

こうした影響を受けこちらの店舗ではことし2月に商品価格を最大で12%引き上げ、人気商品「まいにち食パン」の価格も30円値上げしました。

しかし、今月20日から業務用小麦粉がさらに値上げされることが決まっていて、店は苦境に立たされています。

みなみかぜ 吉川達也店長:
「もう小手先が通用しないというか、ある意味切羽詰ってきてる中での値上げなんだけども、今でさえ分からんって言ってるのに先の不安がもう来とるから、なおさらどうしていったらいいのかな、好きだからって今まで通り買うとは思えないくらいの値上げになるのは自分たちでもわかるから」

日清製粉によりますと、業務用小麦粉の値上げ幅は25キロあたり▽パンなどに使われる強力粉が370円、▽うどんや菓子に使われる中力粉や薄力粉が325円となっていていずれも引き上げ幅としては、過去2番目の大きさになるということです。

今後の見通しについて専門家はー

北陸経済研究所 吉田聡子研究員:
「ウクライナ侵攻が2月下旬でしたのでまだその影響は部分的なものと考えられます、また2月下旬から3月頭で円安が進みましたのでそういった影響もこれからまた出てくるのかな、おそらくこれからまた一段と厳しい状況になっていくのかなと考えています」

歯止めがかからない小麦粉の値上げ。こちらの店では企業努力は尽きたとして今後、さらなる値上げかをするか店をたたむかの選択を迫られているといいます。

みなみかぜ 吉川達也店長:
「どうなっていくんだろうね、来年の春も上がるって言われとるから、このまま値上げが続くようならお店がやっていけるかどうかって不安は現実味帯びてきているってのは正直なところ…」