コロナ感染したHIV患者の体内で「コロナウイルスの21回の変異が発生した」ことが明らかに

 

[論文] Persistent SARS-CoV-2 Infection with Accumulation of Mutations in a Patient with Poorly Controlled HIV Infection


コロナ感染のHIV患者、ウイルスが21回変異-変異株の発生経路か

bloomberg.co.jp 2022/01/31

十分な治療を受けていないエイズウイルス(HIV)感染者で、新型コロナウイルス感染症に9カ月間罹患した南アフリカ共和国の女性の体内で、少なくとも21回の新型コロナウイルスの変異が発生したことが、研究で明らかになった。

研究によれば、この22歳の女性がHIVの治療に使用される抗レトロウイルス療法に従い、免疫システムが強化されると、6ー9週間以内に新型コロナから回復することができた。研究はステレンボッシュ大学とクワズールー・ナタール大学の科学者が主導した。この研究は査読を受けていない。

HIV治療薬を服用していない人など、免疫不全の人が新型コロナに感染すると、同ウイルスが急速に変異する可能性があり、これが新たな変異株の発生につながり得るという新たな証拠が示された。研究対象の患者が感染していたベータ変異株は、オミクロン株と同様に南アで発見された。

科学者らは今回の研究について「以前の他のケースと同様、新たな変異株が発生する経路の可能性を示している」とした上で、まだ仮説段階だとも強調。 「そうした状態を抑制する鍵は効果的な抗レトロウイルス療法だとの従来の報告結果を補強する形となった」と指摘した。

南アはHIV感染者数が世界最多で、人口6000万人のうち820万人が罹患している。