Grokが語る「ノイズ音楽やフリージャズや激しいパンクがドーパミン放出を促す仕組み」

この前に、フリージャズの何が人の興奮性を引き起こすのかという質問をしたんですが、その中に「混沌とした音楽は、脳の予測メカニズムを撹乱し、ドーパミン放出を促す」という文言があったのですね。

そこからの質問でした。


Grok への質問:「混沌とした音楽は、脳の予測メカニズムを撹乱し、ドーパミン放出を促す」ということは、ノイズや激しいパンクにも当てはまりますか?

Grok の回答:

はい、「混沌とした音楽は、脳の予測メカニズムを撹乱し、ドーパミン放出を促す」という現象は、ノイズミュージックや激しいパンクにも当てはまります。フリージャズ、ノイズ、激しいパンクは、音楽構造や聴覚的刺激において共通点を持ち、脳に対する影響も類似しています。以下に、その仕組みと各ジャンルの特徴を交えて説明します。

1. 脳の予測メカニズムとドーパミン

・予測の撹乱:人間の脳は、音楽を聴く際、メロディやリズムのパターンを予測しようとします(予測符号化理論)。フリージャズ、ノイズ、激しいパンクは、予測可能な構造(例:4/4拍子やトニックコード進行)を意図的に崩すため、脳の予測メカニズムが「裏切られ」、そのギャップが興奮や驚きを誘発します。このギャップがドーパミンの放出を促し、快感や高揚感を生む(参考:Koelsch et al., 2019, 音楽心理学)。

・ドーパミンの役割:ドーパミンは「報酬」や「新奇性」に関連する神経伝達物質で、予測不可能な刺激(例:突然の不協和音や爆発的なビート)に反応して放出されやすい。ノイズの過激な音響やパンクの高速で攻撃的なリズムは、この新奇性を強く刺激します。

2. ノイズミュージックの場合

・特徴:ノイズミュージック(例:MerzbowやWhitehouse)は、調性やリズムの伝統的な枠組みをほぼ完全に放棄し、過激な音響や不協和音を用います。この「構造の欠如」が脳の予測を徹底的に撹乱し、強い刺激を与えます。

・興奮の源:

・過剰な刺激:高周波のノイズや突発的な音量変化は、脳の聴覚野を直接揺さぶり、身体的な覚醒反応を引き起こす(例:心拍数やアドレナリンの増加)。

・カタルシス:ノイズは「混沌」を極端に表現し、聴く者にストレス発散や解放感を与える。特に日本のノイズシーン(例:非常階段)は、過激なライブパフォーマンスでこの効果を増幅。

・認知の挑戦:ノイズは「音楽」として解釈する枠組みを壊すため、聴く者が新たな意味や美を見出すプロセスがドーパミン放出を促す。

・例:Merzbowの『Pulse Demon』のような作品は、耳をつんざくノイズの洪水で脳を圧倒し、予測不可能性による興奮を最大化。

(※ 編者注) その Merzbow (メルツバウ/日本)の Pulse Demon は以下です。普通はこんなのは聴かないですよね(聴いてましたけど)。

 

3. 激しいパンクの場合

・特徴:パンク(例:Sex PistolsやThe Stooges、後のハードコアパンクバンド)は、高速で単純なリズム、歪んだギター、攻撃的なボーカルが特徴。フリージャズやノイズほど構造が崩壊しているわけではないが、意図的な「粗さ」や反体制的なエネルギーが予測の枠を外す。

・興奮の源:

・エネルギーの爆発:高速ビート(例:180~200BPMのハードコアパンク)は、身体を直接動かすリズムで、運動野や報酬系を刺激。ライブでのモッシュやスラムダンスは、この身体性が興奮を増幅。

・反骨精神:パンクの「ルール破壊」の姿勢(例:DIY ethicや社会批判)は、フリージャズの反体制性と似ており、聴く者に「自由」や「抵抗」の感情を喚起し、ドーパミンを刺激。

・単純さと予測のギャップ:シンプルなコード進行(例:I-IV-V)の中に、突発的なシャウトやテンポ変化が挿入されることで、脳の予測を適度に裏切り、快感を生む。

・例:Dead Kennedysの『Holiday in Cambodia』は、鋭いギターリフと不規則なリズム変化で、聴く者を高揚させる。

(略)

5. 科学的裏付け

・研究例:Zatorre & Salimpoor (2013)の研究では、音楽の「予測不可能性」がドーパミン放出を促し、特に強い感情的反応(例:鳥肌や興奮)を引き起こすことが示されています。ノイズの過激な音響やパンクの突発的なシャウトは、この効果を増幅。

・身体的反応:ノイズやパンクの高い音圧やテンポは、自律神経系(交感神経)を刺激し、心拍数や呼吸を高める。これが「興奮」として体感される(Huron, 2006, 音楽と感情の研究)。

・文化的文脈:パンクやノイズは、社会的・文化的な「反発」を音で表現し、聴く者のアイデンティティや価値観に訴えることで、ドーパミンに加えてオキシトシン(社会的結束に関連)の放出も促す可能性がある。

結論

ノイズや激しいパンクは、フリージャズと同様に、混沌とした音楽構造や予測不可能性を通じて脳の予測メカニズムを撹乱し、ドーパミン放出を促します。ノイズは極端な音響刺激で、パンクは身体性と反体制的エネルギーで、フリージャズは即興の自由さで、それぞれ興奮を生み出します。日本では、Merzbow(ノイズ)やThe Stalin(パンク)のライブ、または山下洋輔(フリージャズ)の演奏で、これらの効果を体感できます

(※ 編者注) The Stalin(ザ・スターリン)のライブとかありますけれど、遠藤ミチロウさんが亡き今は、それも難しいですが、それにしても、当時は、スターリンだけでなく、さまざまな…パンクでもノイズでも何でもいいんですけれど、そういう音楽の公演場所を関東や関西の大学が受け持っていました。

関東だと、神奈川大学とか横浜国立大学とか慶応大学とか明治学院大学とか、もちろん法政大学とか、当時はさまざまな大学が最大の演じる場だったんですけれど、そういうのは次第になくなり、今はもう存在しない世界です。大学に文化的希望を持つ時代ではなくなっています。