私は知らなかったのですが、EMDR とは以下のような治療法だそうです。
EMDRは、「眼球運動による脱感作および再処理法」の略称で、特に心的外傷後ストレス障害 (PTSD)に対する有効性で知られている比較的新しい心理療法。PTSDを始めとして、パニック障害、恐怖症、強迫性障害などへの適用も報告されている心理療法である。Wikipedia
PTSD治療はどれも同じように効果があるが、効果が出る人はそれぞれ異なる
madinamerica.com 2025/05/14
PTSD Treatments Work Equally Well, But Who They Work For Still Varies
医学誌 Psychological Medicine に掲載された新たなメタアナリシスによると、眼球運動による脱感作・再処理法(EMDR)は心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療に有効であるものの、他の心理療法と比べて有意な優位性は認められなかった。
また、この研究は、社会的要因、特に雇用状況や性別が、個人の治療への反応に影響を与えることを明らかにしている。
EMDR は PTSD の第一選択治療法の一つに挙げられているにもかかわらず、この個々の参加者データを用いたメタアナリシスでは、症状の重症度軽減、治療反応の達成、寛解の達成、治療中断率の低下において、EMDR と他の治療法の間に有意差は認められなかった。
しかし、研究者たちは、EMDR を受けた無職の参加者は、事後テストにおける PTSD 症状の重症度がより高く、男性は治療を中断する可能性が高いことを明らかにした。
南アフリカのステレンボッシュ大学のシモンヌ・レスリー・ライト氏が主導したこのレビューは、PTSD を患う成人 346名を含む 8件のランダム化比較試験から個人レベルのデータを統合した。
著者たちは、EMDR を、トラウマ焦点化認知行動療法(CBT-TF)、リラクゼーション療法、感情解放テクニック、レム睡眠脱感作療法など、エビデンスに基づく他の心理療法と比較した。
本研究は、PTSD に対して多様な心理療法が同様の結果をもたらすことを示しており、単一のトラウマ療法が優れているという前提に疑問を投げかけている。
また、雇用状況や性別といった構造的要因が治療効果にどのような影響を与えるかを明らかにし、治療法のみに焦点を当てるのではなく、社会的文脈にも配慮する必要性を強調している。