二十代によく聴いていた曲(17) – トーキング・ヘッズ – Crosseyed and Painless(1980年)

(コメント)最近、昔の知り合いなどと会うと、「初めて会ってから40年 (@_@)」ということに気づくこともありまして、自分も長いことないなあ、とか思う部分もあり、寝る前に思い出投稿をしようと思います。

Talking Heads – Crosseyed and Painless (1979)

18歳頃でしたかねえ。

受験も近づいているので、私は日々、夜中にゲームセンターに入り浸り毎晩ゲームをしていたのですが(ダメな若者だこと)、ゲーム内容に納得できないときには、昼間もずっとゲームセンターにいました(ダメすぎるのかよ)。

ええまあ、まったくそうなんですが、あるゲームセンターに夜中にいたときに(当時は新風営法が施行されていなかったので、24時間営業のゲームセンターが普通にありました)、そこは、BGM が適当に流れていて、その途中に、ふいに、

「何これ?」

と、ハッと振り返るような曲がかかったんです。

ゲームをする手を休めて聞き入っていました。

それが、このトーキング・ヘッズの Crosseyed and Painless (「斜視だけど痛みなし」みたいな意味ですかね)という曲だったんですけれど、「誰の何という曲かわからない」わけです。

トーキング・ヘッズなんて知らなかったし(非常に有名なバンドであることは後で知りました)、また、この曲を聴きたいとは思ったのですが、どこから手をつけたらいいのか…。

「うーん…」

とりあえずは、音楽にとても詳しいコバヤシくんという人に電話をかけてみました。

 「ゲームやってたら、すごいかっこいい曲を聴いてさ」
コバ「どんなん?」
 「ダダダ、ダダダ、っていう感じのやつ」
コバ「ダダダ、ダダダだけではさすがにわからないよ」
 「あのね、最初の歌詞が、ロスト・マイ・シェイクだか何かそんなの」
コバ「シェイク?」
 「マックシェイクとかあるじゃない。それをなくしたって歌詞じゃないかなあ」
(実際には、この間にさらに私の説明が続きます)
コバ「………あ」
 「何かわかった?」
コバ「違ったら悪いけど、オカが一発で気に入ったとすれば、トーキング・ヘッズってのがいてさ、その最近出したアルバムに…まあ、オレ持ってないんだけど、聴いたことはあって、そこに入っている曲かも」
 「ワイワイ・キッズ?」
コバ「どういう聞き間違いだよ、トーキング・ヘッズ」
 「アルバム名は?」
コバ「知らない。4人のメンバーが顔を赤く塗りつぶしているジャケットだよ」

というわけで、ともかく探してみようと(岩見沢では話にならないので)札幌のレコード屋に行くと、あっさりとその「4人のメンバーが顔を赤く塗りつぶしているジャケット」のレコードがあり、購入しました。

ジャケットがものすごくかっこよかったので、「まあ、違っていてもいいか」と買って帰りましたら、このアルバムの 2曲目に、その「ダダダ、ダダダ」という曲が入っていたのですね。以下の曲です。

コバヤシくんは、以前にも何度か「ただ聴いただけの曲」を尋ねて、何度かそれを指摘してくれたことがあります。高校生の時に、北海道のローカル局のディスコの CM で「ええ、何これ?」と驚いた曲がありまして、その時も、

 「タンタタタタン、タンタタタン♪ ってシンセみたいなのが鳴るやつ」
コバ「そりゃ、クラフトワークのロボットだ」

と、一発で導いてくれたこともありました(この曲です)。

なお、先ほど、私はコバヤシくんに、トーキング・ヘッズのこの歌詞を「ロスト・マイ・シェイク」と伝えていましたけれど、「そういえば、どんな歌詞なんだろう」と歌詞を見ましたら、

Lost my shape

で、シェイプでした。

ちなみに、歌詞の最初はこんな感じ。

♪自分の形が崩れた
気楽に振る舞おうとする
止められない
病院行きになるかも
自分の形が変わった
事故のような気がする
彼らは戻ってきた
自分たちの経験を説明するために

「むっずかしい歌詞だな、オイ」と思いましたが、歌詞サイトの説明では、

> このトーキング・ヘッズの曲は、アイデンティティを失うこと、そしてそれをどうやって取り戻すか分からないというテーマを扱っている。

というものだそう。難しいテーマですね。

マックシェイクをなくして、うろたえている歌詞ではなかったようです。

ともかく、ゲームセンターに乾杯(そっちに乾杯かよ)。