実は、これは個室3室とか、そういうことはどうでもいいんですが、2011年にとても衝撃を受けたニュースでした。以下の In Deep のふたつの記事で「致死命中率 」という観点から、一般的にはあり得ない乱射事件だったんです(致死命中率は、一般的な戦闘では、0.1~0.03パーセントの間)。
致死命中率が、通常の戦争での戦闘の何十倍、何百倍になっている。
14年前の記事ですが、お時間があれば、お読みいただければと思います。
・ノルウェーの狙撃事件での異常な致死命中率 (2011年07月23日)
・ノルウェー乱射事件の「致死命中率」に関しての追記 (2011年07月25日)
こういう、あり得ない「才能」(それが殺人ではあっても)が存在すると実感した事件でした。こういう私たちの知ることのできない才能は、良い方に動くと大変に良いことになるし、悪い方に向かうと、こういう最悪のことになり得ます。
これが人間の世界のひとつの実相です。
他には、フィンランドの軍人であるシモ・ヘイヘ(スナイパーとして射殺した人数では世界戦史で最多)という人や、中国の軍人の張桃芳などがこれに該当します。
今回の AFP の報道のノルウェーの犯人の人も、何か他の方向にその才能を発揮できればよかったのにとか思います。
ノルウェー77人殺害犯、刑務所の待遇訴訟で敗訴
AFP 2025/01/30
ノルウェーで2011年に爆破・銃乱射により計77人を殺害した罪で禁錮21年の判決を受けて服役中のアンネシュ・ベーリング・ブレイビク受刑者が、刑務所の環境が人権侵害に当たると主張して国を訴えた控訴審で、同国の裁判所は29日、訴えを棄却した。
ブレイビク受刑者は、監房には個室3室、薄型テレビ、家庭用ゲーム機まで完備され、ペットとしてモルモット2匹がいるにもかかわらず、収容環境について繰り返し不満を訴えている。
「動物のように扱われている」と主張し、比較的孤立している収容環境を改善しようと国を何度も提訴。
こうした隔離は、「非人道的もしくは品位を傷つける」待遇を禁じる欧州人権条約に違反すると主張している。
この訴えは昨年2月、地裁で棄却されたが、ブレイビク受刑者は控訴していた。
判事3人は29日に言い渡した判決文で、「控訴審は、(ブレイビク受刑者が)暴力を振るう危険性が依然として高いことから、こうした制限は十分に正当化されると考える」と述べた。
また、矯正当局について、刑務所内でのブレイビク受刑者の比較的孤立した状態を補う十分な措置を講じているとも判断した。
ブレイビク受刑者は欧州人権条約の通信権に言及して、メールのフィルタリング緩和も求めていたが、こちらの訴えも棄却された。
ブレイビク受刑者は、2011年7月22日にオスロの政府庁舎前で爆弾を爆発させ8人を殺害。その後、ウトヤ島で開かれていた労働党青年部のキャンプで10代の若者ら69人を射殺した。2012年に禁錮21年を言い渡されたが、脅威と見なされる限り刑期は延びる可能性がある。
ブレイビク受刑者は殺害動機について、犠牲者らが多文化主義を受け入れていたためと供述している。