「尿酸は体に悪いのか?」という医師の方の記事

以前から、痛風だという複数の人と知り合いだったことがありますが、共通しているのは「お酒を一滴も飲まない」方々でした。

私自身は自分の尿酸値とかは知らないのですが(何しろ 30年以上、健康診断を受けていないですので)、私の食生活を顧みますと、いわゆるプリン体の摂取は人の十倍だったような気もします。でも、痛風はまだ経験したことがないです。今後はわからないですが、経験しない気もします。





尿酸は体に悪いのか?

ドクターシミズのひとりごと 2025/01/24

多くの医師は、コレステロールが高いと血管が詰まると言い、スタチンなどの薬でコレステロールを下げようとします。コレステロールビジネスはすっかり医療の世界だけでなく、栄養や食品の世界にも浸透しています。

コレステロールのように手軽に血液検査だけで数値がわかり、症状も何もないのに、それを標的として患者を脅し薬を処方するという、慢性疾患に対する医療のビジネスモデルは医療側にとって非常にうまくいっています。

同じように、尿酸も脅しに使われています。尿酸は体に悪いのでしょうか?

コレステロールと同様に尿酸は人間にとって非常に重要なものです。尿酸値の上昇は痛風になるとか、腎臓に悪いとか、様々な疾患の原因になると脅されるでしょう。本当でしょうか?

よく「尿酸は老廃物」というような表現がされています。老廃物であれば、骨や筋肉や脳に悪影響がありそうですが、以前の記事「尿酸値が高いことは悪いことなのか? その1 骨と筋肉」「その2 認知症」「その3 パーキンソン病」で書いたように、尿酸値が高い方が筋肉量や骨密度が高く、認知症やパーキンソン病などの神経疾患のリスクを低下させてくれます。

老廃物であれば、不必要であるし、体の外にすぐにでも排出したいですよね。でも人間の体はそのようにしていません。

尿酸は、腎臓で約3分の2を排除​​し、消化管で3分の1を排除します。でも腎臓の近位尿細管で尿酸の約90%が血液中に再吸収されます。再吸収するということは必要なものだから体に残しておきたいのです。

しかも、再吸収に関係する受容体はいくつも存在することを考えても、尿酸を体に残しておくように進化してきたと考える方が妥当でしょう。尿酸は体の中で作り出すメカニズムが存在し、それを単に排出せずに腎臓で再吸収するなんて、重要な物質であるに決まっていると思いませんか?

高尿酸血症は、尿酸の過剰産生、糸球体濾過の低下、尿細管再吸収の増加による排泄不足によって引き起こされる可能性があります。

つまり、尿酸が上昇するには他の要因が強く影響し、その原因にこそ問題があるのです。その問題から目をそらずようにするのが現代医療のやり方でしょう。

尿酸は強い抗酸化作用があると考えられています。尿酸は、人間(類人猿)以外の哺乳類ではウリカーゼという酵素で分解されます。しかし、数千万年前に人間は尿酸を分解するウリカーゼを持たなくなってしまいました。

また、同じころに抗酸化物質として有名なビタミンCを合成する能力を失ってしまいました。どっちが先かはよくわかりません。恐らく尿酸が高くなったことで、ビタミンCが必要なくなったのではないかと思います。

しかし、人間では尿酸のほうがビタミンCよりも遥かに高い抗酸化作用を発揮していると言われています。ウリカーゼを失ったことにより、人間の血中の尿酸値は他の哺乳類の7~8倍高くなっていると言われています。

そして、血中の尿酸濃度はアスコルビン酸(ビタミンC)の約10倍高く、尿酸が血中の強力な抗酸化物質であることを示しています。おそらく、尿酸レベルが 7~8 倍高かったことで、進化の過程で人体が活性酸素の有害な影響から強く保護され、地球上で最も知能が高く、他の哺乳類よりも長寿になることができたと考えられます。

以下はオリジナル記事でどうぞ。