ベネズエラで通貨切り下げ(デノミネーション) 通貨単位を「100万分の1」に

 


ベネズエラ 通貨切り下げ、100万分の1に ハイパーインフレ対応

毎日新聞 2021/10/02

南米ベネズエラは1日、通貨単位を100万分の1に切り下げるデノミネーション(通貨呼称単位の変更)を実施した。ハイパーインフレに対応する狙いとみられる。ベネズエラでは2013年に発足した反米左派のマドゥロ政権下で経済危機が深刻化している。

通貨は「ボリバル・ソベラノ」から0を六つ減らした「ボリバル・デジタル」に切り替わった。ベネズエラ中央銀行によると、新通貨は5、10、20、50、100ボリバル紙幣と1ボリバル硬貨で構成される。

ベネズエラではチャベス前政権が08年に1000分の1、マドゥロ政権も18年に10万分の1のデノミを実施している。ただ、市場には米ドルが流通し、ロイター通信によると、ボリバルはバス運賃の支払いなどに限られているという。

デノミへの期待は低く、ベネズエラ中央大のホセ・ゲラ教授(経済学)はAP通信に対し「18年のデノミも1年半で効果がなくなり、19年にかけて激しいインフレが起きた」と述べた。