「血液のヘモグロビンもスパイクタンパク質の主要なターゲット」というイタリアの論文

 

以前、「5G曝露がヘモグロビンの構造と機能を変化させている」という可能性についての記事を翻訳したことがありましたが、血が赤いのは、ヘモグロビンのヘム(鉄と赤い色素の複合体)のためなんですよね。

スパイクタンパク質はヘモグロビンもターゲットにしているようです。


ヘモグロビンと SARS-CoV-2 スパイクタンパク質の受容体結合ドメイン間の相互作用の評価

sciencedirect.com 2023/09/27

Assessing the interaction between hemoglobin and the receptor binding domain of SARS-CoV-2 spike protein through MARTINI coarse-grained molecular dynamics

概要

2000年代にさまざまなコロナウイルス関連疾患(SARS、MERS、Covid-19)が出現しており、このクラスの病原体の病理学的、生物学的、生化学的挙動を完全に理解する必要性が高まっている。

SARS-CoV-2 スパイクタンパク質には大きな注目が払われており、ヒト ACE2 受容体との相互作用が徹底的に研究されている。

最近の発見は、SARS-CoV-2 の構成要素がさまざまなヒトタンパク質と相互作用する可能性があることを示唆しており、ごく最近、ヘモグロビンがスパイクタンパク質の潜在的な標的であることが実証された。

今回我々は、成人または胎児のヘモグロビンとスパイクタンパク質の受容体結合ドメインの間の相互作用を、高度な分子動力学技術を通じて分子レベルで調査し、合理的な結合モードとエネルギー推定を提案した。

我々の結果は、以前に文献で報告された生​​化学データと一致している。また、肺上皮細胞をヘモグロビンと共にインキュベート(※ 培養)すると、スパイクタンパク質の同時投与によってもたらされる炎症促進効果が大幅に減少することも実証した。