英国の「パブ」が全滅の危機。2022年には1,000軒のパブが閉店

 


財政破綻に直面している何千もの英国のパブ

RT 2023/04/05

Thousands of British pubs facing financial ruin

英国の数千のパブが、ガス価格の高騰により、今年閉鎖を余儀なくされる可能性があるとデイリーメールが報じた。

英国では 2022年に 1,000軒以上のパブが閉鎖されており、1月から 6月までで 485軒が閉鎖した。

その後の 7月から 12月にかけてさらに 554軒が閉鎖し、「 1週間に 21軒が閉鎖しているという驚異的な割合だ」とデイリーメールは、英消費者団体 CAMRA の数字を引用して報じた。

英国のパブ業界は、2020年と 2021年に Covid 関連の制限によって大きな打撃を受けた。昨年は、ウクライナ紛争とヨーロッパの主要なガス供給国であったロシアに対する制裁による経済的影響の中で、ガス価格が急騰した。

一部のパブは毎月の電気代が 3倍になったと報告しており、あるオーナーは「わずか 10日分のエネルギー代として、なんと 2,097 ポンド (約 34万円)も請求された」と述べたことをデイリーメールは報じている。

この数字は、エネルギーコストに上限を設けていた英国政府のエネルギー法案救済計画が 3月で終了したためのものだ。その後、国内以外のエネルギーユーザーに高額のエネルギー料金を割引する新しいプランが発効し、1年間実施される。

この新しいプランは、エネルギー価格が最高だったときにエネルギー契約に縛られていた企業を支援することを目的としている。

エネルギー価格はここ数カ月で下落し始め、現在は、ウクライナでの紛争が始まる直前の水準に戻っている。ただし、政府によると、エネルギー価格の下落が企業に転嫁されていない可能性がある。

消費者団体 CAMRA は、約 6,000の小さな独立系パブが財政破綻に直面していると推定している。

CAMRAのメンバーで、自らもビア・パブのオーナーであるデイブ・ヘイワード氏はデイリーメールに、「この業界にはまだ数か月の時間は残っているでしょうが、その後、絶対的な大惨事が起こるでしょう」と主張した。