今、イカってこんなに獲れてないの?

(※) 北海道新聞の報道で、イカのグラフ(小洒落なくていいから)……以下のグラフの茶色のラインがイカです。

いろんなものが貴重品になっていくのですかねえ。


函館「イカノポリス計画」は今 不漁に悩むイカの街で「脱イカ」が進まないワケ

北海道新聞 2022/09/22

かつて函館市に存在した「イカノポリス計画」をご存じでしょうか。「イカの街」の地位を確立する推進力になった、30年以上も前のプロジェクトです。ところが今、函館のイカも深刻な不漁に見舞われ、長らくイカをなりわいにしてきた関係者から「いまさら『脱イカ』と言われても…」との声が漏れています。知る人ぞ知るイカノポリス計画を掘り起こしつつ、現場を歩き、水産・観光都市の未来を考えます。(函館報道部 佐藤陽介、芝垣なの香)

まずはイカの漁獲量の推移をたどってみましょう。函館市内のスルメイカ(マイカ、漁期は6月~翌年1月)の年間漁獲量は1975年以降、多くの年で3万トンを上回っていました。97年には最多の7万4553トンを記録。これは当時の全道のスルメイカ漁獲量の約半分に当たります。

■イカがとれない…

ところが2008年を最後に、3万トンに達することはなくなりました。16年には1万トンを割り、2021年は1989トン。ピークの2.7%にまで落ち込んでしまいました

イカがとれなくなった要因は、地球温暖化による海水温の上昇とされます。函館を含む道南で水揚げされるスルメイカの多くは、対馬海峡付近から日本海を北上して夏ごろに来遊する「秋生まれ群」。道南近海の海水温が上がり、イカの生育に適さなくなったとの分析があります。中国などの外国船による乱獲も一因に挙げられています。

対照的に漁獲量が増えたのが、これまで北海道より南方で取れていたブリやサバ、マイワシなどです。2021年はブリ6832トン、サバ2万465トンで、スルメイカのそれぞれ3.4倍、10.3倍に上ります。ちなみにスルメイカが7万トンを超えた1997年、ブリは512トン、サバは325トンでした。

不漁が続くイカは当然、水産加工の原料から鮮魚店やスーパーでの小売り、飲食店のメニューに至るまで価格が高騰しています。そこで始まったのが、ブリなどを活用する試みです。

7月、函館朝市に「地(ジ)ブリショップ」がオープンしました。函館ブリたれカツ(250円)、函館ブリ塩ラーメン(850円)などが提供され、評判は上々です。

北海道庁の出先機関・渡島(おしま)総合振興局は、ブリ普及に向けたキャラクター「ブーリー君」「新鮮鰤(しんせんぶり)」をデビューさせました。新鮮鰤は20代男性の設定で、函館ゆかりの土方歳三が副長を務めた新選組をもじったそうです

函館市内では、取り扱う魚種をイカからサバに変える水産加工業者も出始めています。通常はカタクチイワシの塩漬けを加工するアンチョビに、マイワシを使う民間の取り組みも進行中です。

道内ではサケやサンマの漁獲量も減っており、ブリなどの活用は全道で広がっています。ところが北海道民にはこうした魚種をあまり食べる習慣がないためか、消費は伸びていません。とりわけイカに多くを依存してきた函館では、「脱イカ」のハードルが高いのが実情です。

(※) 以下は、北海道新聞の記事をご参照下さい。