フランス総選挙で極右「国民連合」が前回議席の10倍以上の議席を獲得

 


仏総選挙、マクロン氏与党が大幅過半数割れ 政権運営は不安定に

朝日新聞デジタル 2022/06/20

フランス総選挙(下院・国民議会選、定数577)の決選投票が19日に行われ、世論調査会社の予測によると、マクロン大統領の与党連合(中道)は過半数(289)を大幅に割り込み、234議席前後の見通しとなった。

前回(350議席)を大きく下回る敗北となる。下院議長や会派代表、環境相、保健相といった重鎮の落選が相次いで伝えられている。

マクロン氏は4月の大統領選で再選されたものの、ウクライナ危機による物価高に苦しむ庶民の不満や、上意下達型の政権運営に対する有権者の不信が根強かった。少数与党での不安定な政権運営を迫られることになる。

躍進したのは、4月の大統領選で決選投票に進んだ右翼ルペン氏の「国民連合」。前回(8議席)の10倍以上となる90議席を獲得すると予測されている。

左派連合は141議席前後に伸ばし、野党第1勢力に躍り出る見通し。大統領選で3位に食い込んだ左翼「不服従のフランス」のメランション氏が主導し、左派の選挙協力を実現。中道左派の社会党や環境政党などと、格差是正に力点を置く共通公約を掲げた。

中道右派は75議席前後の予測。投票率は史上最低だった前回を3・4ポイントほど上回る46・0%前後の見通しだ。