[がんを完治させる力はほぼなく、毒性で死に至る…そんな抗がん剤が「標準治療」となっている理由]という京都大学名誉教授の寄稿文より抜粋

 


がんを完治させる力はほぼなく、毒性で死に至る…そんな抗がん剤が「標準治療」となっている理由

PRESIDENT 2022/04/09

和田 洋巳
からすま和田クリニック院長、京都大学名誉教授、一般社団法人日本がんと炎症・代謝研究会代表理事

2ページより)

「IV期がんは治らない」と分かって薬を投与している

そもそも、抗がん剤には「がんを治す力」は基本的にありません。

確かに、睾丸がんや絨毛がんなどごく一部の固形がん、白血病や悪性リンパ腫などの血液がんについては、抗がん剤で治ることがありますが、がん全体から見ればレアケースにすぎません。

つまり、圧倒的多数を占める固形がんについては、再発がんや転移がんも含めて、抗がん剤治療で治癒に至ることはほとんどありません。そして、がん治療医らは「IV期がんは治らない」ことを前提として治療を行うのです。

言うまでもなく、がん治療医らはこれらの事実をよく知っています。ただし、患者や家族らに「抗がん剤治療を受けても、がんが治ることはありません」とは明言しにくいものです。そのため、多くの場合、医師は次のような“励ましの言葉”を駆使して、患者や家族らを説得しようとします。

「最近はいいお薬(抗がん剤のこと)もたくさんあります」

「私たちも全力で支えますから、希望を持って頑張りましょう」

これらの励ましの言葉が医師の悪意から発せられている、すなわちウソを伝えて患者や家族らを騙そうとしている、とまでは私も言いません。医師の胸の内に患者や家族らを何とか勇気づけたいという気持ちがあるのもまた事実でしょう。

しかし、「厳然たる事実」と「励ましの言葉」との間にある大いなるギャップは、結果的に患者や家族らをさらなる絶望の淵へ追い込んでいくことになるのです。

治療ガイドラインに疑問を持っても見直されることはない

標準がん治療は病期(ステージ)ごとの治療の方法や手順などが書かれた「治療ガイドライン」に沿って画一的に進められていきます。なぜなら、がん種別の学会や研究会などによって作成され権威づけられた治療ガイドラインは、がん治療医らにとってはバイブルとでも呼ぶべき絶対的な重みを持っているからです。

実際、治療ガイドラインから外れた治療をあえて行おうとするがん治療医は皆無に近いと言っていいでしょう。その治療法が現時点で最良の治療であると信じ込んでいることが大きな理由の1つですが、仮にがん治療医らが最良とされる治療法に疑問を感じたとしても見直されることはほとんどありません。

そんなことをすれば、自身の所属する医療機関や学会などの権威者から睨まれ、がん治療医としての立場が危うくなる恐れがあるからです。