金がユーロを抜き、ドルに次ぐ世界第2位の準備資産に





「野蛮な遺物」の復活:金が世界第2位の準備資産に

Nick Giambruno 2025/10/30

The Return of the ‘Barbarous Relic’: Gold Becomes the World’s No. 2 Reserve Asset

金が静かにユーロを追い越し、世界の外貨準備高の2番目に大きな構成要素となった。

米ドルと米国債は依然として大きな割合を占めているものの、金の役割が拡大するにつれて、そのシェアは着実に縮小している。中央銀行は現在、準備金の約 20%を金で保有している。その一方で、ユーロは 16%で、これは金本位制時代以来見られなかった水準だ。

この変化は一時的な現象ではない。投資家が無視することのできない甚大な影響をもたらすメガトレンドだ。

ワールド・ゴールドカウンシル社が最近 57の中央銀行を対象に行った調査によると、中央銀行が金を保有する主な理由は、長期的な価値の保存手段としての役割と、通貨の価値下落に対する実証済みのヘッジ手段としての役割であることが判明した。

数十年にわたり、米国債は究極の安全資産とみなされてきた。巨大な米国債市場は世界最大かつ最も流動性が高く、長年にわたり中央銀行にとって頼りになる準備資産の選択肢となってきた。

しかし、そこに亀裂が見え始めている。中央銀行は着実にドルへのエクスポージャーを削減しており、金価格の上昇は米国の有価証券への信頼が損なわれていることを示唆している。

その象徴性は強力だ。ジョン・メイナード・ケインズはかつて、金を「野蛮な遺物」、つまり過去の遺物だと切り捨てた。1970年代に金本位制が終焉した後、中央銀行もその考えに同意したかに見え、数十年にわたって金塊を売却した。

しかし、この傾向は完全に逆転した。金は驚くべき復活を遂げた。投機資産としてではなく、通貨の支えとして。

金の新たな重要性は、中央銀行が世界金融システムにおける主要な価値保存手段として、国債に代わるものとして金塊をますます重視していることを示唆している。

その影響は甚大だ。現在、金は世界の準備金の約 20%を占めており、ユーロをわずかに上回っている。この傾向が続けば、50%以上に達し、金が世界最大の準備資産となる可能性がある

投資家にとって、メッセージは明確だ。世界で最も保守的な機関が、金は過去の遺物ではないと警告している。金は未来の基盤として再び浮上しつつある。