トカラ列島、10日間で地震740回 気象台「最近の活動では最多」
毎日新聞 2025/07/01
頻発する鹿児島県・トカラ列島近海を震源とする地震の発生から1日で10日間が過ぎた。
福岡管区気象台によると、1日午前11時までに観測した震度1以上の揺れは740回。過去にも2〜3週間に数百回の揺れが起きる地震活動があったが、今回は最も多くなっている。
トカラ列島近海では6月21日午前8時ごろから地震活動が活発になった。7月1日午前11時までに震度5弱が1回、震度4が11回、震度3が44回、震度2が185回、震度1が499回。津波は確認されず、被害の情報は入っていない。
トカラ列島近海では過去にも数年に1度の頻度で、短期間で地震が続発している。ただ、福岡管区気象台は「今回は最近の地震活動の中では最も多い」としている。
1日の地震回数は23日の183回をピークに減少傾向となって26日が15回、27日が16回だったが、28日は34回、29日は98回と再び増加。30日には62回を記録した。
屋久島と奄美大島の間にあるトカラ列島は、12の島で構成されている。震度5弱と震度4はいずれも、悪石(あくせき)島で観測された。悪石島には43世帯89人が暮らしている。
熊本大大学院の横瀬久芳准教授(海洋火山学)によると、トカラ列島周辺では、大規模な海底の高まりがプレートの下に潜り込むなど特殊な地形となっている。この影響でひずみがたまりやすく、地震の頻発につながっているとみられる。
気象庁は当面の間、震度5弱程度の地震が発生する可能性があるとして注意を呼びかけている。