実は内容を理解していないのですが、この概要の中に、
> これは、無傷の脂質ナノ粒子が血液中で再循環することを示唆している。
という部分があり、気になったもので。理解できる方の理解を期待しております。
SARS-CoV-2 脂質ナノ粒子 mRNA ワクチンのヒトにおける血液分布
medrxiv.org 2024/07/27
Blood Distribution of SARS-CoV-2 Lipid Nanoparticle mRNA Vaccine in Humans
概要
脂質ナノ粒子 mRNA ワクチンは、ヒトに使用されるエキサイティングではあるが新しい技術だ。
その生体内分布と免疫原性に影響を与える要因については、まだ十分に解明されていない。脂質ナノ粒子の表面にあるポリエチレングリコール (PEG) に対する抗体は、ヒトで検出され、ヒト mRNA ワクチン接種によってブーストされる。
私たちは、PEG 特異的抗体が mRNA ワクチンのクリアランスを高める可能性があるという仮説を立てた。私たちは、モデルナ SPIKEVAX mRNA ブースター免疫付与を受けている 19人の被験者から、頻繁に連続採血した血液サンプル中の mRNA とイオン化脂質の両方を定量化する方法を開発した。
mRNA とイオン化脂質は、ワクチン接種後 1~2 日で血中でピークに達した (中央ピーク値はそれぞれ 0.19 ng mL-1 と 3.22 ng mL-1)。ほとんどの被験者で、ワクチン接種後 14~28 日まで mRNA が検出可能だった。
我々は、血液中で比較的無傷であったmRNAの割合を経時的に測定し、無傷の mRNAとイオン化脂質の崩壊速度が同一であることを発見した。これは、無傷の脂質ナノ粒子が血液中で再循環することを示唆している。
しかし、mRNAとイオン化脂質の崩壊率は、PEG特異的抗体やスパイク特異的抗体のベースラインレベルとは相関していなかった。血液中で検出されたmRNAとイオン化脂質の量は、PEG抗体の増加と相関していた。
さらに、単球の脂質ナノ粒子を貪食する能力は、PEG抗体の増加と逆相関していた。
これは、mRNA脂質ナノ粒子ワクチンの血液中への循環と貪食細胞による除去能力が、mRNAワクチンのPEG免疫原性に影響を与えることを示唆している。
全体として、本研究は、筋肉内注射後のヒト血液中の脂質ナノ粒子mRNAワクチン成分の薬物動態と、これに影響を与える要因を定義している。これらの洞察は、脂質ナノ粒子 mRNA ワクチンおよび治療薬の将来の安全性と有効性の向上に役立つはずだ。