北極上空を循環する極渦が「逆回転」しているらしい

 

なんかもう、いろいろですね。2018年には、極渦が分断したという事象が起きて、これが北半球に寒冷化をもたらしました。

(記事)地球の気流がさらに崩壊中 : 北極上空の大気「極渦」が真っ二つに分断して北半球上空を進行中という異常事態が発生
In Deep 2018年2月18日

スペースウェザーの記事です。


極渦は現在、逆回転している

spaceweather.com 2024/03/20

THE POLAR VORTEX IS SPINNING BACKWARDS

今月初め、大気科学者たちは北極の成層圏に何か異常なものがあることに気づいた。極渦が逆回転していたのだ。

「渦は3月4日頃に方向を変えました」と NOAA の Polar Vortex Blog の著者であるエイミー・バトラー博士は報告している。

「数日前には秒速 -20.5 メートルに達し、大幅な逆転でした。これは、1979年以来、この種のイベントで最も強いもののトップ6に入ります」

それから 2週間経ってもまだ逆回転している。何が起きているのか?

「大気の惑星波が極地の成層圏で砕け、その温度を上昇させています」とバトラー氏は言う。「私たちはこれを『成層圏突然昇温』と呼んでおり、渦の方向を変える可能性があります」

近年、冬の天候に与える影響から「極渦」という言葉をよく聞くようになった。極渦が強くて安定していると、冷たい空気を極地に閉じ込めるのに役立つ。渦が弱まるか乱されると、冷たい空気が低緯度に流出する。

今月の逆流渦が、冬の天候の発生を引き起こしたわけではない。その代わりに、極地のオゾンが非常に大幅に増加した。

極地のオゾンの量の推移

「成層圏突然昇温により、熱帯から極地へのオゾンの輸送は加速します」とバトラー氏は説明する。「また、空気を温めることは、化学的なオゾンの損失を防ぐのに役立ちます」

現在の「オゾンスパイク」(オゾンホールの逆)は、1979年に記録が始まって以来、3月としては最大規模となっている。

間もなく、物事は通常の状態に戻るかもしれない。極渦の逆回転は減速しており、「約10日以内に再び西風になる可能性があります」とバトラー氏は言う。そうすれば、オゾンの上昇は収まるだろう。