「中国発ECの「Temu」と「SHEIN」が日米韓を制圧」という報道

 

予測されていた展開ではあります。


中国発ECの「Temu」と「SHEIN」が日米韓を制圧―台湾メディア

Record China 2023/12/21

台湾メディアのTVBS新聞網は19日、中国の越境EC「Temu(ティームー)」と「SHEIN(シーイン)」が日米韓を制圧していると報じた。

記事は、「中国の格安ファッションブランドSHEINが米国市場への進出に成功し、来年初めにも米国で新規株式公開(IPO)を予定している」と説明。また、「もう一つの低価格越境ECブランド、すなわち中国EC大手・拼多多(Pinduoduo)傘下のTemuも、日本、韓国、米国で成功を収めている」と伝えた。

その上で、「全てのものをきれいに整え、空間を有効活用したいという人々の心の中にある『収納魂』に火をつけたのがTemuで、それが日本市場進出の重要な要素となった。そして、もう一つが低価格だ」とし、物価が高騰する日本でTemuの低価格な衣料品や生活雑貨がますます人気を獲得していると指摘した。

記事によると、今年7月に日本に進出したばかりのTemuだが、App StoreとGoogle Playのショッピング系アプリのダウンロード数ではほぼ毎日1位となっている。わずか121日で400万ダウンロードを突破し、ライバルである中国のSHEINが打ち立てた155日よりも短い記録となった。

韓国でも今年8月にサービスを開始してからわずか88日で200万ダウンロードを達成し、こちらもSHEINの記録を上回った。米国では昨年9月に上陸したが、アップル社が今月12日に発表した2023年の全米アプリダウンロードランキングで、TikTok、Instagram、Google、YouTubeなどのアプリを抜いて年間1位を獲得した。

記事は、「米ECトップのアマゾンはこれに対抗するため、今月5日に15ドル未満の安価な衣料品の販売手数料を17%から5%に引き下げる異例の措置を発表した。15~20ドルは10%に下げた」と説明。

「先週にはさらに、中国の低価格商品を世界市場に販売するために広東省深セン市にイノベーションセンターを設立すると発表。今後は中国系のTemuやSHEINとより直接的な競争を展開することが必至だ」と指摘した。

日本についても「伊藤忠商事が杭州の電子商取引サービス会社のスニフ(SNIFF)を通じてアリババグループと提携し、日本の小売業者に海外での購入代行サービスをワンストップで提供している」とし、「日本のディスカウントストア、ドン・キホーテもこのサービスを採用しており、早ければ来年初めにも、日本では発売されていない中国商品を販売するコーナーを設置する予定だ」と伝えた。

一方で、Temuが最近、米国の裁判所にSHEINが「マフィアのような方法」でTemu傘下のサプライヤーを脅迫しているとして訴えを起こし、SHEIN側も応戦する姿勢を示したことにも言及。

「両者の争いはこれが初めてではなく、昨年12月にSHEINはTemuがネットインフルエンサーを使った虚偽の広告で宣伝を行っていたと指摘、Temuは今年7月にSHEINを独占禁止法違反で訴え、知的財産権についても互いが相手の侵害を主張している」とし、「一部の争いは和解に至ったが、今後も海外の低価格市場を奪おうと競争が激化し続ける恐れがある」と報じている。