インフルエンザ患者にタミフルを処方しても入院は減らないという最新のメタ研究

 

アメリカ医師会雑誌(JAMA)に掲載されたものです。

入院は減らないどころか、「タミフルの副作用により入院が増加する」ととれる以下の部分がありました。

> オセルタミビルの副作用の多くはインフルエンザの症状と重なる可能性があることを考慮すると、薬剤の副作用に関連した合併症が見逃される可能性がある。インフルエンザ関連の入院ではなく、全原因による入院を研究することが重要であると考える。これは、一見軽度の胃腸への悪影響でも食欲不振や脱水症状による入院のリスクを高める可能性がある高リスクの高齢者に特に関係する。

以下は、この論文の結論部分です。


インフルエンザ外来患者の入院予防に使用されるオセルタミビルの評価 体系的なレビューとメタ分析

JAMA 2023/06/12

Evaluation of Oseltamivir Used to Prevent Hospitalization in Outpatients With Influenza. A Systematic Review and Meta-analysis

結論

この体系的レビューとメタ分析で入手可能なデータに基づくと、オセルタミビルの使用は重篤でない胃腸有害事象の増加と関連しているものの、オセルタミビルがインフルエンザ外来患者の重篤な合併症を軽減するという説得力のある証拠は不足している。

このメタ分析は、臨床医、患者、政策立案者に証拠を文脈化してガイドラインに情報を提供するための重要なデータを提供する。今後の研究は、適切な高リスク集団を対象とした適切な検出力のプラセボ対照試験の実施に焦点を当てる必要がある。