[欧州のウクライナ産小麦輸入の停止が世界の食料供給にリスクをもたらす]という報道

 

(参考報道) ポーランド、ハンガリー、スロバキアがウクライナ産農産物の輸入を禁止 (2023/04/17)


ウクライナの小麦輸出に対する新たな障害が世界の食料供給にリスクをもたらす

gro-intelligence.com 2023/04/18

New Obstacles to Ukraine Wheat Exports Pose Risks for World Food Supplies

世界の食糧供給に影響を与える動きとして、ウクライナの隣国であるポーランドとハンガリーは、ウクライナからの穀物の輸入を一時的に停止した。

これは、ウクライナが黒海の港から農産物を安全に出荷することを可能にする黒海穀物イニシアチブを来月失効させるかどうかについて、ロシアが新たな不確実性を加えているためだ。

こうした動きは、トウモロコシと小麦の先物市場に影響を与え、世界の供給、特に干ばつによる生産減少で枯渇している小麦の供給に対する懸念を高めている。

現在、世界のすべての小麦生産地域を集計した Gro 干ばつ指数 は、少なくとも 20年間で最高レベルにある。

同様に、世界中の小麦の総土壌水分レベルは、少なくとも 2010年以来の最低点にある。

米国南部の平野部、北アフリカ、および欧州連合の小麦産地での干ばつレベルの高さは、今年の小麦生産の不振の前兆を示す

ポーランドとハンガリーは、ウクライナの食料輸入停止は地元の農家を価格下落から守ることを目的としていると述べた。スロバキアは同じことをすると発表し、中央および東ヨーロッパの他の国々も行動を検討していると述べた。

ウクライナの小麦輸出は、2022年2月にロシアが侵攻した翌年の 1年間で、前年比で 45%も落ち込んだ。黒海穀物イニシアチブが昨年 7月に実施された後、輸出は回復し、ここ数か月で急増していた。

さらに、鉄道で輸送された大量のウクライナの穀物は、物流上の制約により、最終的にヨーロッパ諸国にとどまることになった。

これによりヨーロッパの地元の市場にウクライナ産の小麦で氾濫し、ヨーロッパ各国の地元農家の価格と売上に下押し圧力がかかった。ウクライナの穀物は EU で生産されたものよりも安い。

ウクライナのトウモロコシ輸出も同様のパターンをたどった。

ロシアとウクライナは、世界で最も重要な農産物生産国であり、小麦、トウモロコシ、大麦、菜種、菜種油、ヒマワリの種、ヒマワリ油市場の主要プレーヤーだ。

ロシアは肥料市場でも支配的だ。