血液脳関門(BBB)を一時的に開く方法が開発された、というサイエンス・アドバンシスの論文

 

(※) そりゃまあともかくとして、脳に薬を到達させて、パーキンソン病やアルツハイマー病を治療できるというエビデンスは確立されているのですかね。…というか、この研究は、「一時的に 血液脳関門を開かせる」というのが主軸のようですが。

こういう研究は、「喜ぶ存在が喜ぶ」研究にしか見えない。


ヒト以外の霊長類およびパーキンソン病患者における集束超音波による BBB 開口部: 標的 AAV ベクター送達および PET イメージング

science.org 2023/04/19

BBB opening with focused ultrasound in nonhuman primates and Parkinson’s disease patients: Targeted AAV vector delivery and PET imaging

概要

ヒト以外の霊長類における脳内ベクター送達は、主要な課題となっています。

我々は成功した血液脳関門の開口部とアデノ随伴ウイルス血清型 9 ベクトルのパーキンソン病に関与する脳領域への局所送達を報告します。

開口部は、関連する異常な磁気共鳴画像信号がなく、許容性が良好でした。

ニューロンの緑色蛍光タンパク質の発現は、血液脳関門の開口部が確認された領域で特異的に観察されました。

同様の血液脳関門の開口部が、パーキンソン病の 3人の患者で、これらの患者と 1匹のサルで、血液脳関門の開放に続いて18陽電子放出断層撮影に基づく被殻および中脳領域での F-コリンの取り込みが安全に実証されました。

これは、そうでなければ脳実質に入らない分子の局所的および細胞的結合を示しています。

この方法論の低侵襲性は、遺伝子治療のための局所的なウイルスベクターの送達を促進し、神経変性疾患を治療するための早期および反復介入を可能にする可能性があります。