(コメント)最近、昔の知り合いなどと会うと、「初めて会ってから40年 (@_@)」ということに気づくこともありまして、自分も長いことないなあ、とか思う部分もあり、寝る前に思い出投稿をしようと思います。
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Holger Hiller – Jonny (Du Lump) (1983)
二十代のはじめの頃、私は東京のある学校の実験劇場という学生表現団体にいました。
その団体は、小さな劇場も学内に持っていました(どうやら、1960〜70年代くらいの学生運動じみた時期に、その頃の学校から奪取したもので、元教室だったところのようですが、事情はよくは知りません)。
そこは稽古場であり、そして、自分たちの公演等もやるんですが、他の学生の人たちにも無料で貸し出していたのですね。
学生劇団のフェスティバルというような名目が多かったですが、そこである小さなフェスティバルをやっていた時に、私は管理人をやっていて、そこで、その後に劇団ロマンチカという大変有名になる劇団を作ることになる女性と知り合いました(特に懇意ということではなく、普通に知り合いです)。ある美術大学の女性たちが作った劇団でした。
その後、彼女たちはプロになり、そのロマンチカの公演をおこなったときに招待されて観に行ったのです。
私には理解が難しい内容でしたが、華やかな舞台でした。
その公演の中で、ある曲がかかったときに、「なんだこの曲?」と激しく感銘を受けた音楽が流れたのです。
それで、公演が終わった後、その劇団のスタッフに、
「あそこのあの場面でかかっていた曲はなんという曲ですか?」
ときいたのですが、「私にはわからないです。音楽担当の人ならわかると思います」と言って、音楽担当の人をつれてきてくれまして、そこで再度ききますと、
「あー…あのシーン。あれはですね。ホルガー・ヒラーです」
と言ったのでした。
私 「ホルガー・ヒラーという人がいるのですか。どこの国の人ですか?」
その人「ドイツの人です」
「ふーん」と思って、そのホルガー・ヒラーという人のアルバムを探しに行ったのですが、あるにはあったものの、アルバムの邦題が『腐敗のルツボ』というものでした。
原語は、Ein Bündel Fäulnis in der Grube というドイツ語で、わかりようがありませんでしたが、今、Google で翻訳してみましたら「穴の中の腐敗の塊」と出てきました。
ホルガー・ヒラーさんについては、日本語の Wikipedia にもあります。
そして、このアルバムの、これがもう、ほとんどすべて前衛音楽なんですよ。
どの曲がいいとかは難しいですが、前衛曲もいいのですが、そのアルバムで、「唯一、普通のポピュラーソングになっている曲」があり、それを私はずいぶんと気に入りまして、よく聴いていました。
以下のジョニーという曲です。
そのアルバムの全曲は YouTube で聴くことができると思いますが、あとは全部、前衛。
その後も、この人のアルバムをコツコツと聴いていましたね。
ホルガー・ヒラーなんて名前を忘れそうになっている頃の西暦 2000年に、新しいアルバムが出たという話を聞きまして、それも聴きました。
これも前衛でしたが、かつてのような過剰な前衛感はなくなり、「落ち着いた変な曲」が入っている、これはこれで名アルバムでした。以下は、やはり、そのアルバムの中で、唯一ポピュラーソングとして作られているものです。
「Fuck」が何度も女性ボーカルで(たどたどしい英語で)歌われる叙情的な歌です。
ホルガー・ヒラーさんの曲は何度も舞台表現で使わせていただきましたし、普段でもよく聴きました。
今でもたまに聴きます。
音楽を聴いた歴史の中で、どこか希有で不思議な情緒のある存在の音楽家でした。






