パキスタン政府が家庭用ガス供給の計画遮断を開始。1日16時間はガスは「使えない」

 


パキスタンは冬の天然ガス供給を「配給するしかない」

Oilprice 2022/11/11

Pakistan ‘Has No Option But To Ration’ Natural Gas Supply This Winter

パキスタンのエネルギー危機が深刻化している中、この冬、家庭で利用できるガス供給は非常に制限されている。パキスタンの家庭では、朝に 3時間、午後に 2時間、夕方に 3時間だけガスを使用できる。

パキスタンは、世界で 5番目に人口の多い国であり、その国の深刻な燃料不足と外国為替危機の中で、この冬の天然ガス供給を制限する以外に選択肢はなくなった。1日 3回、家庭での調理用にガスを供給すると、石油省の当局者は議会で語った。

パキスタンのエネルギー危機は今年深刻化しており、現在、当局によると、天然ガスの家庭への供給は非常に限られている。

ムハンマド・マフムード氏は、地方紙が伝えたように、「 1日 16時間、家庭の消費者への)ガスの供給はない」と、議会の石油に関する常任委員会に語った。

パキスタンの家庭では、朝に 3時間、午後に 2時間、夕方に 3時間ガスを利用できるようになると、マフムード氏は付け加えた。

人口が 中国、インド、米国、インドネシアに次ぐ世界第 5位のパキスタンは現在の高価格で多くのエネルギー製品を輸入する余裕がないため、エネルギー危機に直面している。ドル高と液化天然ガス (LNG)価格の高騰が国の財政を悪化させ、10月の外貨準備高は 3年ぶりの最低水準にまで落ち込んだ。

4月、国際市場でのLNGと石炭の価格が急騰した ため、深刻な政治的および経済的危機の中で、パキスタンは高価な化石燃料をさらに購入する余裕がなかったため、家庭や産業への電力供給を削減する必要があった。

今年、ヨーロッパは、ロシアからのパイプライン輸入が非常に少ない状態でガス供給を確保しようと躍起になっているため、その購入は、LNG 供給に関してアジアの顧客を上回っている。インド、パキスタン、バングラデシュを含むアジアでは、LNG のスポットレートが高いため、購入者やユーザーの多くが意欲を失っている。

一方、南アジアの産業界の顧客たちは、天然ガスの価格が高騰したため、燃料油に転向している。パキスタンでは、石油火力発電が今年 5倍に急増した、とアナリストのルーシー・カレン氏は 9月に述べた。

「需要側の管理措置が実施されていますが、状況が悪化する可能性があります」とカレン氏は付け加えた。