岸田首相「マスク、屋外不要」を強調、とマスクをしながら主張

 

マスクしながら……。


岸田首相「マスク、屋外不要」を強調 メッセージの出し方に苦悩

毎日新聞 2022/10/03

岸田文雄首相は3日の所信表明演説で、新型コロナウイルス対策でのマスク着用について「引き続き、屋外は原則不要だ」と強調した。海外で「ノーマスク」の国が増え、国内でも「いつになったら外せるのか」との声が強まっている。

政府は、新型コロナと季節性インフルエンザの同時流行への警戒から、「ノーマスク」への完全移行は時期尚早とするが、国民の不満を和らげるためにも「屋外でのマスク外し」を徹底したい考えだ。

政府は5月、夏の熱中症対策を念頭に、屋内外でマスク着用の必要がない場面をまとめて公表。屋外については、人との距離が確保できるか、会話がほぼない場合は「必要なし」としたが、分かりづらさから社会的に浸透せず、今も多くの人が屋外でもマスクを着け続けている。

一方、世界的には新型コロナ対策の出口戦略を探る動きが出始め、欧米を中心にマスク着用義務を緩和する国が増加。国内でもマスクの取り扱いが再び注目されている。

加藤勝信厚生労働相は9月26日の記者会見で「(従来の発信が)分かりにくいとご指摘いただいたが、端的に言うと、屋外では基本的にマスクをする必要はないということだ」と言及。

海外に比べ自然感染による免疫を獲得している人の割合が少ない日本では、「完全ノーマスク」に踏み切るのはリスクが高いというのが専門家の大半の意見だが、厚労省幹部は「1人で外を歩く際にも着けているのはやりすぎだ。夏だけでなく、秋も冬も一緒で、せめて『外では外す』を徹底したい」と話す。

首相の演説は「屋外で外す」ことの浸透を狙ったものだが、「近くで会話をしない限り」と「留保付き」の表現となった。首相周辺は「本当はもっと踏み込みたかったが、インフルエンザが大流行しかねないと有識者に止められた」と説明。同時流行への警戒から言い切ることも難しく、メッセージの出し方に苦悩している状況だ。