震災前のわずか1% 今年も秋サケ不漁の予報 岩手水産技術センター
河北新報2022/07/27
岩手県水産技術センター(釜石市)は26日、2022年度(9月~23年2月)の秋サケ回帰予報を公表した。予測値は11万匹、354トンで、記録的不漁となった前年度を割り込む見込み。東日本大震災前の平均値のわずか1%にとどまり、これまで以上に深刻となりそうだ。
センターは、川をさかのぼったサケの年齢などから回帰数を推定。数量は最少で3万匹、最多で47万匹、重量は最少で104トン、最多で1502トンと予測した。回帰数が少なくなった過去10年程度のデータを使用し、以前より精度を高めた。
時期は12月上旬が中心で、前年より3歳魚の割合が多くなると予想した。21年度の漁獲実績は14万匹、413トンだった。
震災前の平均値(06~10年度)は836万匹。11年度以降は200万~500万匹の漁獲があったが、19年度は100万匹を下回り、20、21年度と続けて過去最低を更新した。
センターの担当者は「海水温が高いために放流した稚魚が育たず、今季も最低水準が続く見通しだ。資源回復に向け、少しでも多くの卵を確保することが重要だ」と指摘する。