そのプレプリント論文はこちらにあります。
COVID-19ワクチンの繰り返し接種は膵臓がんの予後不良因子となる:後ろ向き単一施設コホート研究
preprints.org 2025/04/15
Repeated COVID-19 Vaccination as a Poor Prognostic Factor in Pancreatic Cancer: A Retrospective, Single-Center Cohort Study
要約
COVID-19ワクチンは、世界中で広く使用されている重要な技術的進歩だ。しかし、特にワクチン接種の繰り返し(ブースター接種)によるがん免疫への影響は依然として不明だ。
私たちは、ワクチン接種の繰り返しと膵臓がん(PC)の予後との関係を調査することを目的とした。さらに、免疫抑制因子として知られ、ワクチン接種の繰り返しにより上昇する血清 IgG4 レベルを検査した。
方法:
2018年1月から 2023年11月までに当院で診断された 272人の膵臓がん患者でワクチン接種が生存に及ぼす影響を後ろ向きに調べ、96人の膵臓がん患者で IgG4 レベルなどの予後因子を分析した。
腫瘍組織の Foxp3 (免疫応答に関与するタンパク質)の免疫組織化学を実施し、血清 IgG4 レベルを測定した。
膵臓がんを含む良性および悪性疾患の 79人の患者から血清サンプルを 2023年9月から 11月の間に採取し、スパイク特異的 IgG4 レベルを酵素結合免疫吸着法で測定した。
結果:
膵臓がん患者の全生存期間(OS)は、3回以上のワクチン接種を受けた患者で短縮し、血清 IgG4 総値はワクチン接種回数の増加に伴い増加した。
注目すべきことに、IgG4 高値群では全生存期間が有意に短縮し、腫瘍組織中の Foxp3 陽性細胞が増加した。
ワクチン接種の繰り返しはスパイク特異的 IgG4 値を増加させ、スパイク特異的 IgG4 と総 IgG4 値の間には正の相関が認められた。
結論:
これらの知見は、全生存期間患者における反復ワクチン接種が予後不良因子であることを強調し、IgG4 は反復ワクチン接種によって誘導され、これらの患者の予後不良と関連している可能性があることを示唆している。