エバーグランデに次ぐ中国不動産開発「佳兆業集団」の株式売買が香港株市場で停止

 

> CGS-CIMB証券の中国調査責任者は「佳兆業は、新たに恒大的な存在になる可能性がある」と述べた。


佳兆業と子会社が香港株市場で売買停止、中国不動産株・債券に売り

ロイター 2021/11/05

中国不動産開発の佳兆業集団と子会社3社が5日の香港株式市場で売買停止となった。佳兆業は前日、子会社が理財商品の支払いを実行できなかったと発表、不動産セクターの流動性を巡る懸念が高まり、関連株・債券が売られている。

佳兆業の株価は4日に15%超下落し、過去最安値を更新していた。時価総額は約10億ドルに上る。

佳兆業は理財商品に保証を付与している。4日に出した文書で、厳しい不動産市況と格付け低下により、かつてない流動性の逼迫に直面していると説明していた。

中国の不動産会社の中では、経営危機に陥っている中国恒大集団が今後1年で満期を迎えるオフショア債が最も多く、佳兆業がそれに次ぐ。

午前の香港株式市場では本土不動産株指数が2%超下落。この2週間で20%近く下げている。 中国本土市場でも不動産株が1.6%超下落している。

中国恒大株は1.7%安。デュレーション・ファイナンスによると、恒大の2022年10月償還債は10%超下落し、利回りは300%を超えた。

アジアのドル建てハイイールド債に連動するETF(上場投資信託)は1.5%近く下落。中国のドル建てハイイールド債の利回りスプレッドは過去最大近くで推移している。

CGS-CIMB証券の中国調査責任者は「佳兆業は、新たに恒大的な存在になる可能性がある。当局はいくつか緩和措置を講じているが、あまり助けにならなさそうだ」と指摘。「政府が積極的な緩和措置を取らなければ、債務返済問題を抱える不動産会社がさらに出てくるだろう」と述べた。