長い記事ですので、抜粋です。昨年の記事ですが、In Deep の「イギリスで体調不良による労働力の喪失や離職が、経済に影響が出る深刻なレベルに…」でも、同様のことを取り上げています。
この記事は、全体としてロックダウンに原因を帰結させようとしていまして、ワクチンのことは出てきませんが、まあ…かなり関係あるでしょう。
「辞める以外に選択肢が…」メンタルヘルスの危機で仕事を諦めるZ世代が増加。英国での経済損失は「22兆超」
25ans 2024/08/23
…イギリスのシンクタンク Resolution Foundation が2024年2月に発表したレポートは、この問題の根深さをうかがわせる、憂慮すべき事態を伝えています。
というのは、イギリスの若者20人のうちの1人が、健康問題によって「経済活動に従事して」おらず、これは40代のそれよりも高い割合。レポートは20代前半におけるメンタルヘルスが悪化の一途をたどっていて、他のどの年齢層よりもその割合が高く、一般的な心の病の発症率は20代前半が一番低かった20年前とは逆の結果に。
2021年から2022年の間に、18歳から24歳までの若者の34%がうつ病、不安障害、双極性障害などの症状を報告しました。
これは20年前の24%に比べて、劇的な増加です。
では、何がこうした急激な悪化を引き起こしているのでしょうか?
新型コロナウィルスのパンデミックによるロックダウンで、若い人々が学校や仕事、社交の機会を奪われたことは、孤独に陥った原因として容易に指摘することができます。
オックスフォード大学のある研究によると、ロックダウン以後では、それ以前よりも10代におけるうつ病、感情や行動における障害、社会的な不適応などのレベルが高まったとの結果が出ました。もっとも、こうした問題の原因をパンデミックにのみ還元するのは単純過ぎます。20代前半の人々を苦しめているメンタルヘルスの危機には、他にも数多くの要因がからんでいるのです。
…メンタルヘルスの不調は個人レベルにも破壊的な影響がありますが、イギリスの景気回復にも多大な影響があります。Mental Health Foundation の調査によると、メンタルヘルスの不調は年間で 1,180億ポンド(約22兆1,400億円)の経済損失で、これはイギリスのGDPの約 5%に相当します。
2023年の第4四半期にイギリスが自律的な経済後退の局面に入ったことや、イギリスは G7の中でパンデミック以前の経済レベルに戻るのが最も遅かったことなど考えると、とりわけ切迫した状態だと言えます。