[ソフトバンクG、ファンド事業が3期連続赤字 損失1兆199億円]という報道

 

黒字の部分は以下の理由だけだったようです。純粋には事業では、約2兆円の赤字ですね。

> アリババグループ・ホールディングの株式を利用した先渡し売買契約を早期現物化した結果、5兆3716億円の利益を計上したことが寄与した。


ソフトバンクG、ファンド事業が3期連続赤字-CFO先行き慎重

Bloomberg 2022/11/11

ソフトバンクグループが11日に発表した7-9月(第2四半期)決算は、ビジョン・ファンド(SVF)事業のセグメント損失が1兆199億円となった。赤字は3四半期連続。前年同期は8531億円の赤字だった。

世界的な株式市場の不安定が続く中、出資先企業の価値低下が響いた。野村証券の増野大作アナリストは10月時点で4620億円の損失と推計していた。

後藤芳光最高財務責任者(CFO)は同日夕の決算会見で、「インフレ抑制のための金利上昇は続く見通し」とし、市場環境は「不安定が続くと見ておくべき」だと述べた。

特に中国は日に日に不安定さが増していると指摘し、中国関連の資産は資金化できるものはした方が良いとの考えを示した。

ファンド事業の苦戦が続いた一方、ソフトバンクGの第2四半期の純損益は3兆336億円の黒字と前年同期の3979億円の赤字から改善した。

筆頭株主として保有するアリババグループ・ホールディングの株式を利用した先渡し売買契約を早期現物化した結果、5兆3716億円の利益を計上したことが寄与した

また、SVF事業とソフトバンクG本体を含む投資損益の合計は1兆9848億円の黒字となった。前年同期は1兆6583億円の赤字だった。

後藤CFOは、保有株式価値から純負債を引いた9月末時点のNAVは16兆7000億円、保有株に占める純有利子負債の割合であるLTVは15%、4年分の社債償還が可能な4兆3000億円の手元流動性があると説明。同社にとって「最も安全な状態」と強調した。

速過ぎた自社株買いを心配

また、後藤CFOは「株主還元は徹底的にやっていく」と述べ、昨年11月に発表した1兆円の自社株買い、今年8月に発表した4000億円の自社株買いが予定より早く上限に達したことに言及。

市場の売買が増える中、信託銀行との契約に基づき結果的に買い入れペースが速くなったと説明し、スピードの速さに「憶測を呼びかねないと心配していた」と語った。

決算短信によると、ビジョン・ファンド1号の9月末時点の公正価値は6月末時点と比べ7.8%減少、2号ファンドは12%減少したとしている。1号では上場銘柄でクーパンの株価は回復したものの、センスタイムや滴滴グローバルなどが下落。

2号ではウィーワークやオートストアの下落が響いた。9月末時点の1号ファンドの保有銘柄数は78、2号ファンドは270となっている。

第2四半期累計期間の1号ファンドの投資額は2億6000万ドル(約368億円)、2号は22億4000万ドル、ラテンアメリカファンドは2億5000万ドルにとどまり、それぞれ前年同期(25億ドル、272億ドル、23億3000万ドル)から大きく減少した。

会見に同席したSVFのナブニート・ゴビルCFOは、ビジョン・ファンドの人員削減が3割以上に達することを明らかにした。また、上場を目指している半導体設計子会社のアームの新規株式公開(IPO)の時期について、今期中は難しいとの見方を示した。

一方、後藤CFOは、破産申請の可能性が浮上している暗号資産交換業者のFTXに対し、ソフトバンクGが1億ドル弱出資していることを明らかにした上で、「影響は極めて限定的」と語った。

孫社長が最後の登壇

後藤CFOによる業況説明に先立ち、孫正義社長が登壇し、決算説明会に出席するのは「当面はきょうが最後」と表明。自身は「攻めの男」でアームの事業戦略の構築などに没頭したいとし、ソフトバンクGが「守りを徹するには私より後藤氏が適切」だと説明した。