フィンランド人の80%が「積極的な安楽死に肯定的」という調査結果

「積極的な安楽死」とは、本人の意志とは関係なく行われる(認知症の場合など)制度的な安楽死のことのようで、これ自体には特に意見はないですが、ただ、現在のカナダのように、安楽死制度が「障害を持った子どもまでもが対象になっていく」ということ(In Deep の記事)に拡大していきやすいということには、いろいろと思う部分もあります。


フィンランド人の5人中4人は積極的安楽死について肯定的

nyadagbladet.se 2024/04/15

Fyra av fem finländare positiva till aktiv dödshjälp

フィンランド人の 5人中4人は、国内での積極的安楽死の導入を望んでいる。同時に、医師でそのような提案を支持しているのは約 29%だ。

フィンランドの市民たちは、フィンランドで安楽死(自死幇助)を認める法律を政府に整備するよう求めている。国営放送エールによる調査では、フィンランド人の 80%が安楽死について肯定的であることが示された。

安楽死への支持は比較的安定している。テルホコティ・ホスピスの医師兼マネージャーのユハ・ヘンニネン氏によると、フィンランドの人口の約 4分の 3、つまり 70%以上が安楽死の合法化に長い間賛成してきたという。

フィンランド人の場合、安楽死については男性も女性も同様の考えを持っているが、高齢者よりも若者の方がそれを受け入れている。

認知症などの記憶障害のある人の積極的安楽死に関しては、50%以上が積極的安楽死が導入されるべきであることに同意、あるいはほぼ同意していると回答している。

 

医師 「複雑な質問です」

政府がこの問題について立場を表明する前に、医師会もこの問題についての見解を共有する必要があるが、これまでの立場では、医師たちはこれまで安楽死にはノーと言ってきた。一方、医師会の事業責任者であるヤンネ・アールトネン氏は、この問題に対する医師の意見はここ数十年で変わったと考えている。

「 1993年に実施された調査では、安楽死が許可されるべきであることに完全に同意した医師は 5%だったが、今年はその数字が 29%になった」と彼女はエールに語った。

老人医兼教授であり、数年間にわたって末期患者のケアに携わってきたハリエット・フィネ=ソヴェリ氏は、安楽死が合法化される前に、2つの問題を適切に調査する必要があると考えている。まず、終末期ケア、いわゆる緩和ケアが適切に機能することを確認する必要があるという。

さらに彼女は、医師には安楽死を行う義務があると指摘しているが、医師会の調査によると、今日、安楽死への参加を検討できると回答した医師はわずか 13%だという。

5月16日には医師会の代表団がヘルシンキに集まり、積極的安楽死に関する立場を決定する予定だ。その後、政府がこの問題に対処することになる。

前回、安楽死に関する市民の発議が検討されたとき(2018年)、議員の何人かが以前に法改正への支持を表明していたにもかかわらず、128対 60で否決されている。