[わずか数年で物価数倍も 「80年周期のパラダイムシフト」に備えよ]という記事 (抜粋)

 


わずか数年で物価数倍も 「80年周期のパラダイムシフト」に備えよ

JBpress 2022/06/16

世界は、1780年代、1860年代、1940年代に次ぐ歴史的大変動に入った

2030年まで「幕末」に匹敵する混乱

ロシアによるウクライナ侵攻が発生し、世界秩序のパラダイムシフトを指摘する声が聞かれるようになりました。

筆者は、現在の世界は約80年ごとに政治経済が一変するパラダイムシフトに直面したとみています。

1780年代のフランス革命(1789年)、米国独立戦争(1775年)、天明の大飢饉(1782年)、1860年代のイタリア統一(1861年)、ドイツ統一(1871年)、米国南北戦争(1861年)、明治維新(1868年)、そして1940年代の世界戦争がその区切りです。1860年代の変動では現在につながる近代国家が誕生し、先の大戦では旧体制が一掃されました。

……過去の80年周期の変動を振り返ると共通項があります。いずれも物価の上昇を伴っていることです。

1780年代は、日本では浅間山、欧州ではアイスランドのラキ山が噴火しました。その影響で冷害が発生し穀物価格が急騰、天明の大飢饉やフランス革命をもたらしたのです(図1)。

……先の大戦では軍事費をまかなうため大量の国債発行で通貨が乱発されました。一方で、空襲によって生産設備などが破壊され供給力が激減します。その結果、物価は急騰しました。

 1780年代の統計はありませんが、1860年代、1940年代には、いずれのケースも米価や商業地の地価が、中心年(1860年、1940年)から5年前後で8~10倍になっているのです(図2)。

「二度あることは三度ある」ということわざがあるとはいえ、2022年の今、そんな極端なことが数年以内に起きるとは信じがたいかもしれません。ですが、天変地異や戦争があるなら、その可能性はゼロではないでしょう。