神奈川県で120年に1度ともいわれる竹の花が開花

 

[参考記事] 120年に1度しか咲かない「竹の花」が日本各地で開花し続けている。そして歴史から見るこの示唆は不吉などではなく「完全なパラダイムシフト」への徴候かと
In Deep 2019年4月24日


120年に1度 クロチク開花 神奈川県立川崎高の前庭

東京新聞 2023/02/08

開花が120年に1度とも言われる竹の一種「クロチク」が県立川崎高校の前庭で一斉に花を咲かせている。生物担当の赤塚勝敏教諭が発見した。90年前に校舎ができてから初めての開花とみられ、授業などを通して観察を続けている。

クロチクがあるのは、同校グラウンド沿いの道路に面した前庭部分。幹が黒い特徴的なクロチクの群生は、高さ三〜四メートルにもなっている。いつ植えられたかは不明だが、前庭そのものは旧校舎が完成した一九三二(昭和七)年から残るとみられる。

昨年十二月下旬、教材用の植物を探しに立ち入った赤塚教諭が、クロチクに稲穂のような花が咲いているのを見つけたという。

「知識としては知っていたが、竹の花を見るのは初めて」と感動。樹木の剪定の一環でクロチクの伐採も始まっていたが、中止してもらい観察を開始。地下茎を同じくする群生は次々に花をつけ始め、一カ月以上経た今も珍しい光景が広がっている。

竹の開花について研究する東京大大学院の久本洋子助教(森林分子生態学)によると、クロチクはハチクの仲間で数十年から百二十年の周期で開花するとも言われる。

「園芸種として全国で栽培されており、ハチクを含めて五年ほど前から各地で開花報告がある」と説明する。一斉に開花期を迎えているとみられるが、そのメカニズムは分かっていない。花が咲いた後は枯れていくが、地下茎が残っていたら再生することもあるという。

市内では、市緑化センター(多摩区)でも昨年十二月末ごろからクロチクの開花が確認されていた。

赤塚教諭は今年に入り、授業にも取り入れ始めた。

実際に学校の庭で竹の花を見た生徒たちからも、「言われなければ葉っぱにしか見えない」「数十年に一度咲くとは神秘的」「私が生きているうちに校内のクロチクが咲いてうれしい」など開花の不思議に思いをはせる感想が続いた。赤塚教諭は、花の標本を県立生命の星・地球博物館にも送る予定。

道路からフェンス越しにクロチクの群生を見ることもできるため、地域の人々にも伝えたいと言う。

「川崎でも、緑地を残しておくとこんな珍しいものを見ることができる。大部分は枯れると思うが、もし残る部分があったら次につなげていきたい」と話した。