[世界で続々報告 子どもの急性肝炎 原因不明で発症の75%が5歳以下]という報道

 

(参考資料) アストラゼネカ社コロナワクチンの成分

・有効成分 : ChAdOx1-S (遺伝子組み換えされた新型コロナウイルスのタンパク質ゲノム)

・遺伝子組換え型の複製欠損チンパンジーのアデノウイルス(ベクター / このウイルスで DNA を細胞まで運ぶ)

記事「ワクチンには何が含まれているのか…」(In Deep 2021/06/05)より


世界で続々報告 子どもの急性肝炎 原因不明で発症の75%が5歳以下

AERA 2022/05/20

原因不明の子どもの急性肝炎が世界各地から報告されている。原因についてはさまざまな調査が進んでいる。子どもは自分では体調の悪さを訴えにくいので、周囲の大人が子どもの様子に注意したい。AERA 2022年5月23日号から。

世界保健機関(WHO)は10日、昨年10月以降、原因の分からない急性肝炎を発症した16歳以下の子どもの数が世界で348人に達したと発表した。

WHOが子どもの急性肝炎のアウトブレーク(集団発生)を知らせる警告を出したのは今年4月15日だ。きっかけは、同月5日の英国からの報告だ。英国北部のスコットランドで、5歳以下の10人が重い急性肝炎を発症し、原因が不明だった。全員、基礎疾患のない健康な子どもだった。

肝臓は、脂肪の消化に必要な胆汁(たんじゅう)を分泌したり、血液に必要なたんぱく質などを作ったり、体内に入ってきた毒素を中和したり、健康な生活を送る上で欠かせない多くの働きを担う。肝臓に炎症が起きて十分に働かなくなる状態が肝炎だ。急性と慢性があり、炎症が半年以内に治まるものを急性肝炎という。

英国では163人

急性肝炎の主な原因は肝炎ウイルスへの感染だ。それ以外に、自己免疫疾患や薬剤アレルギーが原因で起こることもある。

WHOに4月5日に報告されたスコットランドの10人のうち9人は今年3月、1人は1月の発症だった。全員、肝炎ウイルスに感染していなかった。

スコットランドでの原因不明の子どもの急性肝炎発生を受け、英国は全国的に調査を始めた。2022年1月以降4月8日までに、主に10歳以下の74人が原因不明の急性肝炎を発症していることがわかった。

英国からの報告を受け、WHOはアウトブレークの警告を出すと同時に、各国政府に対し、21年10月以降の16歳以下の子どもの原因不明の急性肝炎の発生状況を調べて報告するよう求めた。以来、各国からの報告が相次いでいる。

厚生労働省によると、5月5日時点で、日本国内では原因不明の急性肝炎を起こした子どもが7人いた。

米疾病対策センター(CDC)によると、5月6日時点で109人の急性肝炎が確認された。5人(4.6%)が死亡していた。

最も報告数が多いのは英国からだ。5月6日に英国健康安全保障庁が公表した報告書によると、今年1月から5月3日までに16歳以下の163人が原因不明の急性肝炎を発症した。

報告が多いのは3~5歳だ。英国全体では75%超が5歳以下。118人の発症者がいるイングランドは3~5歳が66人(55.9%)を占め、年齢の中央値は3歳、男女比は半々だった。

英国の163人のうち11人(6.7%)は、肝臓がほぼ機能しなくなる肝不全になり、肝臓移植を受けた。亡くなった子どもはいなかった。

アデノ流行の報告

子どもの急性肝炎の原因として現時点でもっとも有力視されているのは、風邪の症状や胃腸炎などを起こすアデノウイルスへの感染だ。一部の国から、急性肝炎の子どもの半数以上が感染しており、アデノウイルスがここ数年に比べて流行しているという報告があるからだ。

英国では、調べた126人のうち91人(72.2%)でアデノウイルスへの感染が確認された。

一方、英国の感染症の発生動向調査では、21年10月以降のアデノウイルス感染症の発生頻度(ひんど)が過去5年間でもっとも高くなっていた。特にその傾向は、便など、消化器系の検体から検出されたアデノウイルスで顕著だった。

アデノウイルスはA~Gまでの7種類に分類され、80以上の型がある。のどや鼻などの上気道に風邪の症状を起こすものや、結膜炎など目に症状を引き起こすもの、胃腸炎の原因となるものなどいろいろある。型により、体内で感染しやすい部位が目だったり上気道だったり消化器官だったりと異なる。