[原材料高騰で個人立ち食いそば店が次々と廃業]という報道

 

(※) 今でこれでは、さらに2倍3倍と価格が上昇するかもしれない1年後などには、全部なくなっているかもしれないですね。全部というのは「麺類の飲食店全部」という意味です。


立ち食いそば店を襲う材料高、店主高齢化、ウクライナ侵攻の“三重苦”…個人店は次々廃業

日刊ゲンダイ 2022/03/24

「これで中国も、なんてことになったら目も当てられません」と、東京・中央区の立ち食いそば屋の店主は肩を落とす。

ウクライナに侵攻したロシアに中国が加担し、もしも経済制裁なんてことになったら……と、ついつい不安になってしまうらしい。

それも当然で、農水省によると、そば粉の原料になるそばの実の日本の自給率は例年2~3割程度。玄そば(殻付きの実)の輸入の4割前後を中国産が占め北米産とロシア産が続く。殻を取った抜き実の輸入はほぼ100%中国産。全体の6~7割を中国に頼っている。

「それでなくても昨年も中国産が高騰して、立ち食いそばチェーン店の値上げが相次いだでしょ。そこへロシアのウクライナ侵攻のあおりで、つい先日も中国産の国内流通価格が最高値を更新とか報じられましたし、もう気が気じゃない。小麦粉だって値上がりしているわけで、まったく先が見通せませんよ」(前出の立ち食いそば屋店主)

日本の立ち食いそば、それどころかそば文化の“命運”は中国とロシアが握っていると言っても過言ではないのだ。

ちなみに、農水省のHPによると、「とんかつ」の自給率は9%。材料の豚肉も小麦粉も揚げ油も輸入に依存しているからで、がっつり食べたい時のランチの定番、“そばとかつ丼セット”は、高根の花になる恐れもある。

「全国駅そば名店100選」などの著書がある駅そば評論家の鈴木弘毅氏がこう言う。

「先日訪ねた四国のうどん店では、そばも出していたんですが、折からの材料高で『もうそばはやめた』なんて話していました。値上げをしているのは、大手の立ち食いそばチェーンで、むしろ個人店は価格を据え置いて、踏ん張っているところの方が多い。ただ、もともと店主の高齢化に加えて、新型コロナ禍もあって、個人店は次々と廃業していっています。ロシアのウクライナ侵攻、そして中国の態度が追い打ちをかける可能性はある」

高級店はいざ知らず、個人の立ち食いそば屋が値上げに踏み切るのは、苦渋の選択だ。ロシア、そして中国が三重苦、四重苦となってのしかかっている。