抗うつ剤SSRIは「性機能障害を誘発する」という論文





抗うつ薬による性機能障害

mdpi.com 2023/06/24

Sexual Dysfunction Induced by Antidepressants

概要

性機能障害は抗うつ薬の一般的な副作用であり、患者の生活の質と治療遵守に重大な影響を及ぼす。

本研究では、世界保健機関の個々の症例安全性報告のグローバルデータベースである VigiBase のデータを分析することにより、性機能障害と抗うつ薬の関係を調査した。

本研究では、適切な副作用用語をグループ化することにより、性反応(欲求、覚醒、オーガズム)に関連する報告を初めて調査し、さまざまな抗うつ薬の報告オッズ比(ROR)を計算した。

本研究の結果は、特に選択的セロトニン再取り込み阻害薬と(SSRI)セロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)で、性機能障害の報告が大きく不均衡であることを強調している。

対照的に、アゴメラチン、ブプロピオン、ミルタザピン(※ すべて SSRI、SNRI 以外の抗うつ剤)などの薬剤では関連性が低いことが示された。

さらに、報告オッズ比と抗うつ薬の特定の神経伝達物質受容体およびトランスポーターへの結合親和性との間の相関関係を調査し、これらの副作用の根底にある薬力学的経路への洞察を提供する重要な関係を明らかにした。

たとえば、セロトニントランスポーターと欲望カテゴリの副作用の間には正の相関が見られた。

これらの洞察は、臨床医が抗うつ薬を処方する際に性的副作用を考慮し、患者の転帰を改善するためにこれらの問題を監視および対処する必要性を強調している。