「いじめは精神病を引き起こす可能性がある」という東京大学の研究

 

論文はこちらにあります。


いじめは精神病を引き起こす可能性がある

nyadagbladet.se 2024/03/18

Mobbning kan leda till psykoser

日本の研究で、いじめが将来の精神病のリスクを高める可能性があることが示されている。いじめにさらされた若者は精神病症状を発症するリスクが高くなるという。この研究は、こうした悪影響を防ぐために学校でのいじめに取り組むことの重要性を強調している。

特定の病気の神経学的特徴と精神医学的特徴との関連性を調べたこれまでの研究では、精神病の最初のエピソードを経験した人、または統合失調症を患った人は、脳の前帯状皮質(ACC)領域の神経伝達物質であるグルタミン酸のレベルが低いことが示されている。

ACC は、とりわけ感情の制御、意思決定、認知制御に重要であることが知られている。グルタミン酸レベルの変化が精神疾患と関連付けられている。

東京大学の研究者たちは、磁気共鳴分光法(MRS)を使用して、3171人の日本人青年のACC領域のグルタミン酸レベルを測定した。

時間の経過に伴う変化を評価できるように、レベルを異なる時間に測定した。研究者たちはまた、いじめられている、またはいじめられたことのある若者の変化を、いじめられていない若者と比較することを選択した。いじめの被害者は、若者自身が記入したアンケートによって追跡された。

ネイチャー『Molecular Psychiatry』誌に掲載されたこの研究では、いじめは、思春期初期におけるより高いレベルの潜在性精神病体験、つまり、精神病に近いものの、精神病性障害の臨床診断の完全な基準を満たしていない症状と関連していることが判明した。このレベルが高い人は、グルタミン酸レベルも低かった。

「これらの潜在的な精神病体験を研究することは、精神病の初期段階を理解し、後に臨床精神病を発症するリスクが高い可能性のある個人を特定するために重要です」と研究者の岡田直大教授は述べている。

「まず第一に、積極的な社会的交流を促進し、攻撃的行動を減らすことに重点を置いた学校におけるいじめ対策プログラムは、それ自体のためにも重要であり、精神病とその潜在的前兆のリスクを軽減するためにも重要です」と岡田教授は述べ、次のように続けた。

「これらのプログラムは、すべての生徒にとって安全で協力的な環境を作り、いじめの可能性とその悪影響を軽減するのに役立ちます」