「あなたはどういうお医者さんですか?」へのパッチ・アダムス医師の回答

 

[参考記事] パッチ・アダムス医師の「楽しく人を死なせる」ための真実の医療の戦いの中に見えた「悪から善が生まれる」概念の具体性
In Deep 2015年04月19日

パッチ・アダムス医師


著作『パッチ・アダムスと夢の病院』より

どういうお医者さんですか?

「あなたはどういうお医者さんですか?」と、わたしはよく訊かれる。そこで、「患者さんを気遣うおもしろい医者です」と答えることにしている。すると相手はたいてい驚く。

なぜなら、彼らはこう訊いたつもりだったのだから。

「どういったご専門のお医者さんですか?」

と。

わたしは彼らに向かい、患者に対する自分の思いを一生懸命説明する。患者と友人になりたいこと、患者がどういう人なのかを知って好きになりたいこと。

また、患者が自分で健康的な生活を取り戻すことができるように応援するつもりであること。それに、さまざまな角度から患者について考え、決して治療をあきらめないことなど。

ここまで話すうちに、彼らはこう結論付けて口を挟む。

「ああ、あなたは、精神科のお医者さんでしたか!」

ところがわたしは、精神科医ではなく家庭医なのである。わたしは、普通の家庭医として、赤ん坊を取り上げ、病人の死を看取り、関節炎やインフルエンザから癌までさまざまな病気の治療にあたっている。

けがをした手足の手当てや、健康診断や病気予防をするところまで、普通の医者と変わらない。違っているところがあるとしたら、患者に対する接し方だろう。