「食糧」カテゴリーアーカイブ

[仕入れ値が最大5割増しの肉も]というテレビ山梨の報道

 

(※) この報道には「円安の影響で」とありますが、問題はそれ以上に、世界的に飼育動物のエサとなるトウモロコシなどの飼料用穀物が異常に高騰していることがあり、もはや従来の価格での肉の販売自体が難しくなっている上に、世界中の飼育農家そのものに経営危機が近づいているので、「そもそも肉が手に入らない」という状況も、数ヶ月のうちには見られるかもしれません。


仕入れ値が最大5割増しの肉も 円安による価格高騰 精肉店にも打撃 山梨

テレビ山梨 2022/04/22

円安の影響で外国産の食肉の仕入れ値が高騰しています。

山梨県甲府市の精肉店では最大5割近くまで仕入れ値が上がり、需要が高まる大型連休を前に大きな打撃となっています。

浅川博仁記者:
県内でも輸入肉を多く扱う甲府市の精肉店です。今月に入り100グラム60円も値上がりした肉もあり、金額も書き換えられています。

食肉の卸や小売りを行う甲府市相生の牛奥商店では、扱う4割の食肉がブラジルやオーストラリアなどおよそ10か国からの輸入ものです。

牛奥商店 山田孝太専務:
今まで味わったことのないような状況に陥っている。

過去にない状況というのは仕入れ値です。

急激な円安で外国産の食肉の仕入れ値が全て上昇しているのです。
なかでもブラジル産の鶏肉やオーストラリア産の牛こま肉は2021年の同じ時期より5割近く高騰し、店は4月、輸入肉の値上げに踏み切りました。

山田専務:
最初は企業努力でやっていたが、ここまで上がると僕らの企業努力ではどうにもならないので、順次4月から(販売価格を)上げている。

さらに、上海のロックダウンによる物流の停滞で輸入肉の確保が困難になったことも追い打ちをかけます。

山田専務:
モノによってはゴールデンウィーク明けでないと入って来ないので、さらに1割~2割の高騰は覚悟している。輸入牛の比率を下げて国産牛を増やして乗り越えていきたい。

4月末からの大型連休は多くの需要が見込まれているだけに、店にとっても消費者にとっても大きな打撃となりそうです。

鳥取県の牛乳生産者たちが飼料高騰による経営危機で知事へ緊急の支援要請

 


白バラ牛乳ピンチ!飼料高騰で知事へ緊急要請 鳥取県

BSS山陰放送 2022/04/22

価格高騰が続く原材料費。その影響が学校給食にも迫りつつあります。
給食に欠かせない牛乳ですが、いま生産現場は大変な事態に…。

大山乳業 小前孝夫 組合長
「生活もままならんような状況に陥るんじゃないかという風に非常に危惧しているところ」

コロナ禍による貨物船の減便や原油高による燃料費の急騰で牛のエサとなる飼料の値段が高騰。

22日、大山乳業と生産者の代表が知事に対して緊急の支援要請を行いました。

大山乳業にはおよそ100の酪農家と事業者が加盟していますが、配合飼料でコロナ前と比べて、およそ31パーセント値上がりしていて、中には所得が半分以下になったところもあるということです。

ナカムラファーム 中村兼三 社長
「不安です、すごく。何とか耐えるしかないというかたちだが、それがいつまで耐えないといけないのか…」

要請に対し、知事は県としても、対策をとっていきたいと応えました。

シカゴ大豆先物価格が史上最高値に迫る

 


Soybeans

tradingeconomics.com 2022/04/22

シカゴの大豆先物はブッシェルあたり17ドルを超えて取引され、米国の供給に対する強い需要と黒海地域からの出荷の混乱の見通しに支えられて、2012年9月以来の最高値に近づいた。

ブラジルとアルゼンチンの一部の悪天候により、穀物と油糧種子の生産が減少し、運賃の上昇と相まって、米国の出荷に対する需要の高まりへの期待が高った。しかし、中国は3月に米国から337万トン大豆を購入したが、家畜生産マージンの低さが購入を抑制し、前年の718万トンに比べて減少した。

[インドネシア、食用油・原材料の輸出を禁止]という報道

 


インドネシア、全ての食用油・原材料の輸出を禁止- 28日から

bloomberg.co.j 2022/04/22

インドネシアは全ての食用油とその原材料の輸出を禁止する。

国内の供給不足に対応するとし、ジョコ大統領が22日の記者会見で発表した。

大統領によれば、28日に始まる輸出停止は、国内での不足が解消されたと政府が見なすまで続けられる。世界最大のパーム油生産国であるインドネシアの食用油は大半がパーム油製品から作られる。

アブラナ(カノーラ油の原料)の国際価格が史上最高値に

 


カノーラ

tradingeconomics.com 2022/0422

カノーラ先物価格は、新記録のピークに急上昇し、2022年の初めから10%以上上昇した。

これは、生産と品質に影響を与えた豪ニューサウスウェールズ州北部での極度の春の雨と洪水による供給の混乱に起因している。

それに加えて、ウクライナでの戦争は世界の農業市場に衝撃波を送り、生産コストの上昇は価格にさらに上向きの圧力をかけている。

[肥料コスト高騰でアジアのコメ生産量が減少の可能性]という報道

 


食糧危機が深刻化へ、肥料コスト高騰でコメの生産量減少の可能性

bloomberg.co.jp 2022/04/19

肥料コストの高騰によりアジア全域でコメ農家が肥料の使用量を減らしている。価格上昇が抑制されない場合、人類の半数が主食とするコメの収穫を脅かし、本格的な食糧危機につながる可能性がある。

インドからベトナム、フィリピンに至るまで、食糧増産には欠かせない肥料原料の価格がこの1年だけで2倍あるいは3倍となっている。肥料の使用量減少は、作物の収穫量減少を意味する可能性がある。

国際稲作研究所(IRRI)は、次のシーズンに収穫量が10%減少し、コメ3600万トン、5億人分相当の供給が失われる恐れがあると予測している。

IRRIのシニア農業エコノミスト、フムナス・バンダリ氏は、これは「非常に控えめな予測」で、ウクライナでの戦争が続けば、その影響ははるかに深刻なものになる恐れがあると指摘した。

供給停滞や生産上の問題のほか、最近ではウクライナ侵攻で肥料原料の主要供給国であるロシアとの貿易が中断されたことを背景に、肥料価格が世界的に上昇している。

肥料コストの高騰で農家が使用量を減らし、作物の収穫量が減少すれば食料品のインフレを引き起こしかねない。そうなった場合、世界のサプライチェーンが大きな打撃を受ける公算が大きい。

コメ農家は特に影響を受けやすい。ウクライナでの戦争により世界の主要穀倉地帯が危機に見舞われる中で、小麦やトウモロコシなどの価格は高騰しているが、コメは十分な生産量や既存の備蓄により価格が抑えられている。

これはコメの生産者がコスト高に対応しなければならない一方で、より高い対価を得ることができないことを意味している。

ウクライナの港に停泊したままの商業船に残されている「100万トン以上の穀物が腐敗する」可能性

 


ウクライナの穀物は封鎖された港の船の中で腐敗する危険性がある

world-grain.com 2022/04/19

Grain runs risk of spoiling in blocked ships

ウクライナの港で封鎖された商業船に取り残された100万トン以上の穀物と油糧種子が、近い将来劣化する可能性があるとウクライナの農務大臣が 4月15日にウクライナの新聞に語った。

ロシアのウクライナ侵攻が2月24日に始まって以来、ウクライナの港からの貨物はロシアによって阻止され、穀物輸出業者にとって実行可能な選択肢として東ヨーロッパへの鉄道ルートのみが残されている。ウクライナは通常、月に最大600万トンの穀物と油糧種子を輸出しているが、3月には約20万トンしか出荷していない。

「貨物は荷降ろしされておらず、まだ船上にあります」と農務大臣は語った。

「現在、穀物と油糧種子が 125万トン積まれている船舶がウクライナの港に57隻あります。それらの保持期間については、もともと、これらの穀物を長期間保管することを計画していなかったため、問題が出るかもしれません」

ウクライナはヒマワリ種子油の世界トップの輸出国であり、小麦とトウモロコシのトップ5の輸出国の1つだ。