台湾で「卵」の品薄続く 4月まで続く見込み

 


台湾で卵の品薄続く 供給安定は4月の見通し=寒さで産卵率低下

フォーカス台湾 2022/02/14

台湾で卵の欠品や品薄が続いている。背景には、寒さや朝晩の寒暖差の大きさによる産卵率の低下がある。鶏卵業者の団体、台北市蛋商業同業公会の高伝謨理事長は14日、十分な供給が確保されるのは清明節(4月5日)ごろになるとの見通しを示した。

台湾では春節(旧正月、2月1日)前の先月下旬ごろから、卵が手に入りにくくなっている。全国の大型スーパーや市場では、入荷後すぐに売り切れる状況が生じている。

行政院(内閣)農業委員会の陳吉仲(ちんきちちゅう)主任委員(閣僚)は先月28日、卵の供給不足について、寒さの影響で産卵率が低下したことが主な原因であるものの、鳥インフルエンザの発生による鶏の殺処分も原因の一つだと説明。行政院農業委員会動植物防疫検疫局の統計によれば、今年に入ってから今月12日までの殺処分羽数は17万3545羽となっている。

高氏によれば、現在台湾全土での1日当たりの鶏卵の生産量は約10万箱(1箱200個入)で、毎日1万箱余り不足しているという。高氏は、来月に入って暖かさが戻れば、不足は解消に向かっていくだろうとの見方を示した。

卵の供給不足に対応 日本からの輸入一時再開

台湾内での卵の供給不足に対応しようと、農業委員会は7日、米国、日本、オーストラリアからの輸入を緊急に手配したと発表した。台湾は2020年11月から、香川県での鳥インフルエンザの発生を受けて日本全国からの殻付き家きん卵の輸入を停止していた。

日本の農林水産省が10日に発表した報道資料によれば、台湾向けの殻付き家きん卵の輸入が再開されるのは、同日から来月31日まで。鳥インフルエンザの発生が今シーズン確認されていない都道府県からの輸入を期限付きで認めるとの通知が台湾からあったという。