インドのスブラマニヤム・ジャイシャンカル外相の「原則の問題であれば、なぜヨーロッパは初日に削減しなかったのか」は、まったく核心をついていて。
インド、ロシア産原油の輸入が前年比10倍に 国営銀行が発表
BBC 2023/05/11
インドのロシア産原油の輸入量が昨年、10倍に増加した。インド国営バローダ銀行が10日、分析結果を発表した。
バローダ銀行によると、インドが輸入する原油に占めるロシア産原油の割合は、2021年には2%だったが、2022年にはほぼ20%に達したという。
ロシア産原油の購入を増やしたことで、インドは昨年の会計年度で約50億ドル(約6700億円)を節約したとされる。1トン当たりだと約89ドルの節約だったという。
ロシアによるウクライナ侵攻を受け、西側諸国はロシアからのエネルギー輸入を減らしている。そうしたなか、ロシアは中国やインドなどにエネルギーを安い価格で売っている。
インドは原油輸入量が世界で3番目に多い。
ロシアによるウクライナ侵攻を、インドは明確には非難していない。
インドの説明
アジア第3位の経済大国のインドは、欧米の圧力にもかかわらず、ロシアからの輸入を制裁対象にするのを拒んでいる。
エネルギーを輸入に依存し、貧困者が数百万人に上っている状況で、高い価格を支払うことはできないというのがインドの説明だ。
スブラマニヤム・ジャイシャンカル外相は昨年、テレビのインタビューで、ウクライナでの戦争が始まって以来、ヨーロッパはインドの6倍ものエネルギーをロシアから輸入したと述べた。
そして、「ヨーロッパは快適なやり方で輸入を削減した」と主張。「原則の問題であれば、なぜヨーロッパは初日に削減しなかったのか」と付け加えた。
ロシアは今後も安価供給か
ウクライナでの戦争の終わりが見えない中、ロシアが安価な原油をアジア最大級のエネルギー輸入国に提供し続けていくと予想するアナリストもいる。
エネルギー分析会社ヴァンダ・インサイツのヴァンダナ・ハリ氏は、「ロシア産の原油は今後もこの2カ国(インドと中国)に限定され、大幅な割引が維持されるだろう」とBBCに話した。
ハリ氏はまた、インドの石油精製業者はできる限り利幅を最大化し続けるだろうが、制裁が解除されれば「いつもの原油の使い方に戻る」だろうと付け加えた。