携帯電話の頻繁な使用が「精子の質と数を低下させる」というスイスの研究

 


自己申告による携帯電話の使用と若い男性の精液の質との関連性

fertstert.org 2023/10/31

Association between self-reported mobile phone use and the semen quality of young men

研究の目的
携帯電話への曝露と精液パラメータとの関連を調査すること。

設定場所
6つの陸軍新兵募集センターのすぐ近くにあるアンドロロジー研究所。

参加者
2005年から 2018年にかけて、スイスの一般人口(18~ 22歳)から合計 2886人の男性が集められた。

介入
参加者から精液サンプルを受け取り、携帯電話の使用時間や使用していない時の置き場所など、健康とライフスタイルに関するアンケートに回答してもらった。

主な成果対策
ロジスティック回帰モデルと重線形回帰モデルを使用して、調整されたオッズ比とβ係数がそれぞれ決定された。次に、携帯電話への曝露と、体積、精子濃度、総精子数(TSC)、運動性、形態などの精液パラメータとの関連性が評価された。

結果

合計 2,759 人の男性が携帯電話の使用に関する質問に回答し、2,764 人が使用していないときの携帯電話の位置について詳しく回答した。

調整された線形モデルでは、携帯電話の使用頻度が高いほど(1日あたり 20回超)精子濃度が低く、総精子数が低い状態と関連していた。

調整されたロジスティック回帰モデルでは、これは、妊娠可能な男性の精子濃度と総精子数が世界保健機関の基準値を下回るリスクがそれぞれ 30% および 21% 増加することを意味する。

この逆相関は、最初の研究期間(2005 ~ 2007年)でより顕著であり、時間の経過(2008 ~ 2011 年および 2012 ~ 2018年)で徐々に減少することが判明した。

携帯電話の使用と精子の運動性または精子の形態との間に一貫した関連性は観察されなかった。また、携帯電話をズボンのポケットに入れておくことと精液パラメータの低下との関連は見出されなかった。

結論

この大規模な集団ベースの研究は、携帯電話の使用頻度が高いほど、精子濃度と総精子数が低下することに関連していることを示唆している。

関連性が減少するという観測された時間的傾向は、新技術への移行とそれに伴う携帯電話の出力電力の減少と一致している。観察された関連性が因果関係であるかどうかを確認するには、曝露評価を改善した前向き研究が必要だ。