円が20年ぶりの安値に

 


円、下落し132円台前半 20年ぶり安値更新 対ユーロも安い

日本経済新聞 2022/06/07

7日早朝の東京外国為替市場で円相場は下落している。8時30分時点は1ドル=132円21~23銭と前日17時時点と比べて1円45銭の円安・ドル高だった。8時30分過ぎには一時132円30銭近辺まで下げ幅を広げた。

6日のニューヨーク市場での安値を下回り、2002年4月以来およそ20年ぶりの円安・ドル高水準を更新した。米連邦準備理事会(FRB)が積極的に金融引き締めを進めるとの観測から米長期金利が3%を超える水準に上昇しており、日米の金利差拡大による円売り・ドル買いが続いている。

円は対ユーロでも下落している。8時30分時点は1ユーロ=141円28~31銭と、同81銭の円安・ユーロ高だった。15年1月以来、およそ7年半ぶりの安値圏で推移している。欧州中央銀行(ECB)が7月にも利上げに踏み切るとみられるなか、9日のECB理事会を前に日本との金融政策の差を意識した円売り・ユーロ買いが優勢となっている。

ユーロの対ドル相場は下落している。8時30分時点は1ユーロ=1.0686~87ドルと同0.0056ドルのユーロ安・ドル高だった。

ポンド相場は小動き。英国の与党・保守党は6日夜(日本時間7日未明)にジョンソン党首(首相)の信任投票を実施し、同氏の続投を決めた。信任投票の実施前と比べるとポンドは対ユーロや対円では小幅に上昇しているものの、対ドルでは1ポンド=1.25ドル台前半で小幅な動きとなっている。市場からは「信任決議による為替相場への反応は限定的」(FX会社)との声が聞かれた。