東京医科歯科大学の「裸のmRNAからなる安全な新型コロナウイルスワクチンの開発に成功」というニュースリリース

脂質ナノ粒子で mRNA を包まないという意味のようですが、しかし、それって、遊離した mRNA にはならないのですかね。以下は、2023年に、コロナワクチンの開発でノーベル生理学・医学賞を授賞したドリュー・ワイスマン博士の2018年の論文からです。

> 細胞外の裸の RNA は、密集した内皮細胞の透過性を高めることが示されており、したがって浮腫の一因となる可能性がある。別の研究では、細胞外 RNA は血液凝固と病的血栓形成を促進することが示されたnature.com

何をどうやっても医学界というのは…。

以下は、ニュースリリースの要点の部分からの抜粋です。


「裸のmRNA」からなる安全な新型コロナウイルスワクチンの開発に成功

東京医科歯科大学 2024/04/03

「裸のmRNA」からなる安全な新型コロナウイルスワクチンの開発に成功 ~ ナノ粒子製剤化していない「裸のmRNA」が全身性の副作用を伴わず強力な免疫を誘導できることを世界で初めて実証~

・現在使われている mRNAワクチンは脂質性ナノ粒子(LNP)などの殻でくるまれて投与されているが、そのLNPが副次的有害事象を発生させている可能性が高い。

・mRNAを殻で保護しない「裸のmRNA」からなるワクチンで、SARS CoV-2 (COVID-19)ウイルス感染症を予防することに、世界で初めて成功した。(mRNAワクチンにはナノ粒子が不可欠という常識を覆した)

・ジェットインジェクターを用いて「裸のmRNA」を皮膚組織内に投与する手法で、ワクチンの効果を飛躍的に向上できた。(筋肉組織よりも皮膚組織の方が、免疫細胞が多く存在する)

・マウスを用いた実験では、6カ月間に渡る抗原特異的抗体産生が観察された。

・霊長類のカニクイザルを用いても、マウス実験と同等のワクチン効果が確認できた。

・投与された「裸のmRNA」は接種部位に留まるため、全身性の副次的有害事象は観察されなかった。

・本発表は、iCONMの内田ラボ(ラボ長:内田智士 主幹研究員/東京医科歯科大学難治疾患研究所教授)のグループを中心に、東京都医学総合研究所、東京医科歯科大学、杏林大学、NANO MRNA株式会社らと進めた共同研究であり、4/3 に国際的学術誌 Molecular Therapy (IF 12.4) オンライン版で論文掲載されました。