[1日100人の診察枠、15分で半分以上埋まる]という神奈川県の小児科逼迫報道

 

家の近くにある子どもクリニックも常時、駐車場が満杯となっているのですけれど、元気よく走って病院に入っていく小さな子どもを見ていると、「軽症でも病院に来させる親が多すぎ」だとは思います。本当に重症の子どもが見てもらえない状況になっていそう。

なお、記事は、他の多くの記事同様、以下で終わります。

> マスクをつけるなど、基本的な感染対策を改めて徹底してほしい

「基本的な感染対策とは?」ということは永遠にふれられることはなさそうです。


感染症急増で小児科切迫「これほどは初めて」…1日100人の診察枠、15分で半分以上埋まる

読売新聞 2023/07/05

神奈川県内でも子ども中心に、「RSウイルス」や「ヘルパンギーナ」といった感染症が急増し、患者を受け入れきれない小児科が出始めている。県立こども医療センター(横浜市南区)によると、新型コロナウイルスの感染防止策を長く徹底してきたことで、多様なウイルスに対する免疫を獲得できなかった可能性もあるという。

 

「申し訳ない。もうベッドがありません――」

川崎市立川崎病院(川崎区)の土橋隆俊医師(54)は4日午後、市内クリニックからの入院要請の電話を険しい表情で断った。6月以降、発熱やせきの症状が出る「RSウイルス」が重症化し、肺炎や気管支炎になる子どもが急増している。

小児用30病床以上を有する地域の中核病院だが、満床の状態にある。土橋医師は「これほどやりくりに困るのは初めて。いつまで続くのだろうか」とため息をつく。

同市中原区のわかばこどもクリニックの宮沢 啓貴ひろたか 院長(50)は「1日100人の診察枠は、予約の受け付け開始から15分ほどで半分以上埋まる」と語る。

本来は入院が必要だが、病床を確保できない呼吸器疾患の患者については、午前午後の計2回来院してもらい、のどに詰まった 痰たん を吸引するなどして対応している。

宮沢院長は「コロナ禍で小児病床が減らされ、元に戻っていない病院もある。このままでは亡くなる子も出てしまうのでは」と懸念する。

県衛生研究所によると、最近の1週間(6月19~25日)に県内234か所の小児科から報告された夏かぜの一種「ヘルパンギーナ」の患者数も、1医療機関あたり6・16人で、前年同時期(6月20~26日)の0・13人を大きく上回り、「流行警報」が出された。RSウイルスは、1医療機関あたり2・33人で7週連続で増加した。

感染症に詳しい県立こども医療センターの鹿間芳明医師(54)によると、RSウイルス、ヘルパンギーナのほか、新型コロナやRSウイルスに似た症状が出る「ヒトメタニューモウイルス」など、様々な感染症が流行している。

多様なウイルスにさらされることで免疫を獲得するが、コロナ禍の感染防止策で免疫獲得の機会が減ったなか、行動制限の緩和で急激な人流が起きたことも、感染急拡大の要因の一つとみられる。鹿間医師は「調子が悪い時は保育園、学校、仕事を休み、マスクをつけるなど、基本的な感染対策を改めて徹底してほしい」と呼びかける。