「食糧」カテゴリーアーカイブ

アメリカのトウモロコシの一大産地であるアイオワ州で、寒さと大雨のために作付けが近年最低レベルに停滞

 

(※) 以下の緑の州がアメリカのトウモロコシの大生産地帯です。

usda.gov


アイオワのコーンの収穫量はすでに消えている

electroverse 2022/05/12

PRIME CORN YIELD ALREADY GONE

アイオワ州立大学の農業従事者たちによると、米国の多くの地域のトウモロコシ農家は、寒さと雨のために植え付けが大幅に遅れているため、今年は収穫量が高くなる可能性は低いという。

遅延の影響は、今後 10〜 14日間の植え付けの進歩に大きく依存する。天候が良好に進めば希望もあるが、現時点での天気予報では、そのようにはなりそうもない。その場合、すべての米国のトウモロコシはゲームオーバーとなる。

収穫量の傾向を研究している ISUエクステンションの作付のスペシャリストであるマーク・リヒト氏は、今のところ不明な部分も多いが、現在の遅れがすでに収穫量を減らしていると確信している。

アイオワ州全体でのトウモロコシの植え付けは、5年間の平均よりも約2週間遅れており、2013年以来最も遅い植え付けペースであると米国農務省国家統計局のディレクターであるグレッグ・テッセン氏は述べている。

5月8日の時点で、種子トウモロコシの植え付け率は、わずか14%だった。平年の平均は63%だ。

適切な発芽のためには地面の温度が平均して約10℃である必要があるが、現在もなお、激しい凍結と戦わなければならない多くの地域がある。

最高のトウモロコシ作物は5月中旬までに植えられるが、植え付けが6月に進むと、ゲームオーバーとなる。

[ラニーニャ現象、夏まで続く – 気象庁]という報道

 

[参考記事] ラニーニャ現象が終わらない : アメリカをはじめ世界の穀倉地帯の干ばつと異常気象がさらに厳しく継続する可能性。その先には「もはや食糧は存在しない」世界が (In Deep2022年4月5日)


ラニーニャ現象、夏まで続く 昨年秋に発生 – 気象庁

時事通信 2022/05/12

気象庁は12日、昨年秋に発生したラニーニャ現象が、少なくとも今夏まで続く可能性が高いと発表した。ラニーニャは太平洋赤道域東部(南米沖)の海面水温が平年より低くなる現象で、世界の天候に影響を及ぼす。

今年初めの予想では、ラニーニャ現象は今春に終息する可能性が高いとされていた。

気象庁によると、インド洋東部の対流活動活発化などにより、太平洋赤道域の温かな海水が予想よりも東に広がりにくくなり、長期化したとみられる。

北海道の食糧自給率って200%以上あるんですね

 

(※) こういう場所を他の国は欲しがると思う。


「食料自給率」が高い都道府県ランキング! 1位は「北海道」

ねとらぼ 2022/05/09

2020年度における日本の食料自給率はカロリーベースで37%ですが、これは世界と比べても低い数値。そのため食料自給力の向上は日本にとって大きな課題となっており、2030年度までに食料自給率を45%(カロリーベース)まで引き上げるのを目標としています。

そこで今回は、農林水産省の「令和元年度、平成30年度の都道府県別食料自給率」のデータをもとに、「食料自給率が高い都道府県ランキング」を紹介します。

このランキングは、「カロリーベースの食料自給率(1人が1日に食べる全食品のカロリーのうち、国産品が占める割合)」の数値をもとに作成したもの。なお数値は概算値となり、データの制約から各都道府県の生産・消費の実態を十分把握できていない部分があること、また各地域の自然など諸条件が異なっているため、単純に比較できるものではないことに留意する必要があります。

第2位:秋田県(205%)

第2位は「秋田県」でした。カロリーベースの食料自給率は205%です。

日本人の主食といえば「米」ですが、秋田県は2020年の米の収穫量が日本で3番目に多い県となっています。そんな秋田県のお米といえば「あきたこまち」が有名で、誕生から30年以上経った現在では秋田県だけでなく全国で栽培されるようになりました。これまでに米の食味ランキングで最高位の「特A」を何度も受賞しており、香りやうまみ、粘りなどのバランスに優れているのが特徴です。

また他にも野菜や果実、食用肉が多く生産されており、“日本三大地鶏”にも数えられるブランド鶏「比内地鶏」もよく知られています。つぶしたお米を使った郷土料理「きりたんぽ」や、きりたんぽを鶏ガラのだし汁で煮込んだ「きりたんぽ鍋」は、秋田県の家庭には広く親しまれている味ですね。

第1位:北海道(216%)

第1位は「北海道」でした。カロリーベースの食料自給率は216%です。

日本一の面積を誇る北海道は、国内の耕地面積のおよそ25%を占めています。夏でも涼しい気候や豊かな土地を生かして農作物の栽培や酪農が盛んに行われており、2020年のデータでは小麦や大豆、馬鈴しょ(ジャガイモ)や牛乳などさまざまな作物で生産量1位を記録。また漁業生産量では日本の約25%を占めており、サケを使った石狩鍋やサケのチャンチャン焼き、昆布巻き、ニシン漬けなど、魚を使った郷土料理もおなじみです。

ちなみに北海道は、2020年における米の収穫量では全国2位。今回使用した「カロリーベースの食料自給率」は、単位重量あたりのカロリーが高い米や小麦などの影響を受けやすい指標のため、ランキング上位を米どころが占める結果となりました。

 

(※)ちなみに、下位は、以下のようになっておりました。

第47位:東京都(0%)

第46位:大阪府(1%)

第45位:神奈川県(2%)

アメリカの春小麦の先物価格が史上最高値に

 


zerohedge.com

(※) 以下の記事などにありますように、北米の気候が農作に対しては大変に厳しいものとなっていまして、今後も小麦価格の推移は、安定しないものとなりそうです。

[記事] 5月の北米で異常な寒さが続き、カナダとアメリカの一部では作付けが5月になっても始められず、アメリカでは穀物備蓄が大幅に低下する予測も (2022年5月7日)

[記事] カナダの広範囲での史上最低レベルの季節外れの気温は今後も続く見込み。いまだに氷点下が記録される地域も (2022年5月9日)


春小麦が第三次世界大戦と天候の問題で14年ぶりの高値を記録

zerohedge.com 2022/05/09

Spring Wheat Hits 14-Year High On World War 3 & Weather Woes

米国北部の平原とカナダでの雨の多い天候、西ヨーロッパで続く乾燥、ウクライナの混乱、インドの荒天による植栽の遅れの組み合わせにより、 世界の小麦市場が混乱し、ミネアポリスの春小麦価格は 2008年以来の最高水準に達した。

春小麦は、ベーグル、ピザ生地、ロールパン、クロワッサンなどの特産品の製造に使用される。

さまざまな理由で米国平原北部とカナダでの植栽が遅れているため、5月9日に14年ぶりの高値であるブッシェル12.31ドルに達した。

大西洋を越えると、3週間の干ばつが西ヨーロッパを悩ませており、小麦の不確実性をさらに高めている。ブルームバーグによると、フランス気象局は、フランスが「今週、夏のような暑さ」に見舞われると予想している。

パリを拠点とするアドバイザーのアグリテルは、フランスの小麦収穫量は非常に多と示唆したが、最新のヨーロッパの乾燥と、今後数週間の天気の見通しによる干ばつの進行を考えると、収獲の評価を低く修正する可能性がある。

「フランスでの水不足の拡大は、すでに緊張している市場の中で懸念を引き起こしている」とアグリテルは商品ノートで述べた。

インドは、深刻な熱波による被害を受けた作物小麦の輸出を停止することを検討している。

「ロシアでは、非常に有望な小麦の収穫が期待されているが、国際問題の状況によりロシアの小麦の利用の可能性の点に問題がある」とアグリテルは付け加えた。

天候と地政学的な問題は、世界中の備蓄が減少するにつれて、世界の小麦作物の供給が圧迫される可能性があることを示唆している。

[輸入塩 年度内に価格改定の兆し 三重苦が収益直撃し悲鳴]という食品新聞の報道

 

(※) 私は知らなかったのですが、この報道の以下の部分に、ややショックを受けました。

> 日本の塩自給率11%程度という低さは看過できない状況だ。

日本は塩もほぼ自給できていないのですね。


輸入塩 年度内に価格改定の兆し 三重苦が収益直撃し悲鳴

食品新聞 2022/05/09

物流費上昇で事業環境悪化

輸入塩は一般用塩として食用、非食用で国民生活に欠かせない存在だ。船便の契約更新が行われる来年1月には値上げが確実視されているが、今年度中にも価格改定は避けられない公算が大きくなっている。

原料塩を輸入する商社はいずれも、世界的な物流費や燃料価格の高騰に加え、急激な円安の為替変動による三重苦が収益に直撃し、悲鳴を上げている。

国内の食用ニーズは新型コロナウイルス禍や減塩志向の浸透により漸減傾向が続いているものの、ソーダ工業用など工業用途では需要増が顕著になっている。またアジア圏でも新興国を中心に、工業用需要の伸長が継続中。国内への原料塩輸入を安定的に供給するためには価格改定に踏み切らざるを得ない事態が迫っている。

輸入塩を取り巻く事業環境を悪化させている主因は、物流費の上昇だ。コロナ禍に端を発した国際的な船便の争奪戦にとどまらず、塩の製造や運搬に必要な燃料となる原油価格が高止まりしている。

今年に入ると、ロシアのウクライナ侵攻がさらなるエネルギー価格の上昇に拍車を掛けた。

商社筋によると、海外で製造された塩を輸入する船便の運賃は、コロナ前の3年前と比べて2倍以上に膨らみ、利益を大幅に圧迫しているという。

コスト増加要因はこれにとどまらない。国によってはコロナ禍に伴う厳しい人流抑制策などが行われた結果、現地の労働力が不足し、塩の製造や輸送に携わる労働者の人件費も高騰している。

輸入各社はこれまで自助努力によるコスト吸収で対応してきたが、130円台に突入した円安進行の逆風にもさらされ「コスト的には切羽詰まっている状況」「本音を言えば、一刻も早い値上げをお願いしたい」といい、既に限界点を超えているとの声で一致している。

長年にわたり、塩は「価格の優等生」と位置付けられ、中でも輸入塩は安定的に数量が確保され、国内経済が急速に発展する中で需要をカバーしてきた。だが、最大の生産地であるメキシコ塩も設備の老朽化対策に向けた修繕費などが必要になってきている。

現況のトリプルパンチに加え、長期的な視座における設備投資費を確保する必要も生じているようだ。そのためにも現況のコストアップにふさわしい適正な価格転嫁が必要不可欠。将来を見据えたサステナブルな輸入塩の供給体制を構築する契機という点でも、国内塩の価格是正と足並みをそろえる形での値上げの流れは必至といえる。

長引くコロナ禍やウクライナ情勢、急激な円安と先行き不透明な材料が山積している中、その決定時期と改定率に注目が集まりそうだ。

他方、国内では現在、主に食用は国内塩、生活インフラを支えるソーダ工業用が輸入塩として使用されている。

有事に備えた食料安全保障の観点から、日本の塩自給率11%程度という低さは看過できない状況だ。日本の食の根幹を支える国内塩と、汎用性の高い輸入塩がともに共存していく視点も忘れてはならない。

イラクの小麦収穫量が「半減」の見通し

 

(※) 太字はこちらで施しています。


イラク:ウクライナでの戦争と水不足で小麦の収穫量は半減

news.yahoo.co.jp 2022/05/09

レバノン、パレスチナ、シリア、ヨルダン、イラクにかけてのマシュリクと呼ばれる地域では、例年11月~5月初頭までが降水期でそれ以後は厳しい暑さに見舞われる。降水期の終わりと真夏の間の短い期間が、小麦の収穫の時期にあたり、この期間の農村は収穫機器が徹夜で操業する忙しさになる、はずだ。

しかしながら、この地域は昨年に勝るとも劣らない干ばつに見舞われ、降水量と河川の流量は相当に少なかった。

シリアの地中海沿岸部は平年並みの降水量を記録した地点もあったが、内陸の農業地帯の降水量は絶望的と言っていいほどの状態だった。

この状況は、トルコやイラクも含むチグリス、ユーフラテス川の流域全般で同様だったようで、今期のイラクの小麦の収穫高は昨期同様の不振となりそうだ。降水量の減少は気候変動とも関連すると考えられており、イラクでは砂嵐の頻発という新たな問題も発生している。

バグダード南方のディーワーニーヤ県では、同県を流れるユーフラテス川の水量が1秒当たり180の平年値に対し、今期は80に過ぎない。このため、イラク政府、そして生産者たちは小麦の作付け面積の削減を余儀なくされた。しかも、降水量の不足により面積当たりの収穫量は例年の半分程度にとどまる見通しである。

この不振に追い打ちをかけたのが、ウクライナでの戦争に伴う燃料と肥料の価格高騰である。エンジンオイル類や種苗も値上がりしており、これらは生産者にとって更なる重荷となる。

肥料についても、価格高騰のため国が生産者に供給する量が過去数年に比べて8分の1にまで減少する見通しだそうだ。

元々、チグリス、ユーフラテス川の流域で天水に頼る農業は不確実性が非常に高い営みではある。そこに、燃料や肥料が世界的な広範囲で取引されるようになったことにより、この不確実性に影響を与える要素はイラク政府や地元の生産者の努力ではどうにもならない範囲にまで拡大している

今期のイラクの小麦の収穫量の見通しは250万~300万トン程度であるが、これは昨期と同程度の水準であり、イラク国内で必要とする量には及ばない。

別稿で指摘した通り、この地域での農業の不振は離農→都市への人口移動→都市近郊の生活環境悪化→社会不安という負の連鎖へとつながりやすいものである。

中東では、経験的に10年に1度ほどの頻度で世界を揺るがす大事件(大抵は紛争や政治危機)が発生するのだが、折悪しく現在は前回の大災難である「アラブの春」とその後の混乱から10年ほど経過している

世界の耳目と様々な資源がウクライナでの戦争に集中する中、中東諸国はそのあおりを受けて人民の生活水準が低下することがほぼ確実である。そのため、「10年に1度」という経験則がとても嫌な予感として感じられてならない。

五月晴れ – ブリタニカ国際大百科事典

 

(※)某県某市の5月中旬までの天気予想。

weather.yahoo.co.jp


五月晴れ(読み)さつきばれ

ブリタニカ国際大百科事典

新暦の 4月後半から 5月の、梅雨前に日本列島が大きな移動性高気圧に覆われたときの晴天。発現期間は短い。もともとは旧暦 5月が梅雨にあたることから、梅雨の晴れ間の意味で、梅雨晴れ(つゆばれ)とも呼ばれたが、近年は、一般に新暦 5月の晴天をいう。